文春砲 パチンコ疑惑 ~ 朝鮮総連と社会党の怪しい関係 1/2

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平成01年10月17日 衆議院 予算委員会
[116]
自由民主党 浜田幸一
さて、去る13日、日本社会党の書記長であります山口鶴男君は、いわゆるパチンコ疑惑についての見解を公式に発表されました。それによれば、「「社会党パチンコ疑惑」なるものは存在せず、週刊文春による虚構であることを明らかにしておきたい。」と言っております。

私は、本件を調査するにつけて本件の根の深さに実は驚いております。そして本件が単なる政治献金問題にすりかえられようとしていることに重大な危惧を感じているのであります。

パチンコ業界からの政治献金については、政治資金規正法にのっとって処理されている限り何ら問題はないことを私は主張しておきます。ただ、政治家として責められるのは、献金をもらって国会議員の職務権限を利用して国政の場で国民から公正を疑われるような行為をすることであり、それは徹底的にただされなければならないことだと考えております。



[165]
自由民主党 浜田幸一
社会党の山口書記長は、さきのパチンコ疑惑の見解で、我が党は朝鮮総連とは友好関係にあるが、党として政治資金規正法に触れている献金は一切なく、所属議員についても、法に触れる政治資金の寄附を受けることが許されないのは当然のことであると言っている。朝鮮総連が我が国の治安当局にとって有害団体であるにもかかわらず、社会党は総連と友好関係をもうたい、連帯を強調し、去る9月20日の朝鮮総連15全体大会に土井委員長は来賓として出席し、祝辞で総連の活動をたたえている。9月25日付朝鮮時報。もしこれが事実だとすれば、担当当局としてはどのようにお考えになりますか。

[166]
政府委員(公安調査庁次長) 古賀宏之
朝鮮総連と社会党との関係でございますが、私どもは朝鮮総連は監視しておりますけれども、日本社会党については詳しい情報をつかんでおりません。ただし、御質問の中にありましたように、日本社会党と朝鮮総連はお互いに、それぞれの大きな大会あるいは記念すべき大会等には交互に委員長なり総連のトップを招請して、お互いに祝辞を述べるなどしてかなり交流しているということは承知しております。





平成01年10月19日 衆議院 予算委員会
[105]
日本社会党(社会民主党) 野坂浩賢
ちょっと申し上げますが、社会党も13日にパチンコの疑惑を解明するために書記長が記者会見をして、その内容を、社会党の問題については9名で802万円もらっております。パーティー券を含めてもらっております、こういうことを申し上げております。その際、疑惑として新聞はこのように出していますね。自民84人に1億1600万円。みんなこういうことを書いてあります。どこにも書いてありますね、新聞に。



[190]
日本共産党 正森成二
まず最初に、短い時間でございますが、パチンコ疑惑に国民の関心も集まっており、国会も1日間とまりましたので、この問題について質問させていただきたいと思います。

まず第一に、外国人団体からの政治資金の提供について伺いたいと思います。

報道によりますと、ここに私どもリストを用意しましたが、12名の政治家、返却や取り違えと言われるものを含めると14名が朝鮮総連やあるいは在日韓国居留民団、民団から主として86年同時選挙で選挙資金を受け取ったとされております。しかも、選挙運動費用収支報告書に堂々と記載されておるというように言われております。これは事実とすれば明白な政治資金規正法22条の5の違反であります。

そこで、自治省に伺いますが、担当者には事前に言っておきましたが、調査されたでしょうか。今、野坂議員の質問に一定のお答えがありましたが、選挙運動費用収支報告書というのは都道府県選管にあり、公式文書の照会手続が要るそうでありますが、公式文書の照会も含め早急に手続を行ってその事実の有無について報告されたいと思いますが、答弁を求めます。

[191]
政府委員(自治省行政局選挙部長) 浅野大三郎
御連絡をいただきましたので、自治大臣が所管しております政治団体につきましては、これは指定団体を指定しておられる方につきまして、昭和61年から昭和63年分までの政治資金収支報告書を調査いたしました。その中には在日朝鮮人総連合会、在日本大韓民国居留民団等の名称の記載はございませんでした。

それから、御質問でも言われましたように、選挙運動の収支報告書は都道府県選挙管理委員会が所管しておりますものですから、これにつきましては照会をしてみたいと思っております。

[192]
日本共産党 正森成二
我々の調査によりますと、例えば長野県の場合には、のし袋に在日韓国居留民団長野県何々支部というように書いて、そして民団の役員が3、4名お届けするということをやっておりまして、ある幹部は、自民党には何10年も前から、民社党には15年くらい前からそういう方ができていて、組織運営の任務としてやるものだと思っていた、こういうように言っております。

だから、これは偶然の事実ではないわけであります。これまで与党のある委員などが朝鮮総連の名前を挙げまして公安調査庁に対して危険な団体かというようなことを聞いて、そのように理解しているというようなお返事もあったようですが、事は危険な団体であるか危険のない団体であるかにかかわりなく、外国人や外国人団体あるいは外国人等が主流である、多数を占めているところから日本の政党、政治家が資金の提供を受けるということになれば、国の自主性が損なわれるということから決められているわけで、したがって、私どもは、それが朝鮮総連であれ民団であれ、そういう資金提供を受けたものがある場合には、二度とそういうことのないように事実を明らかにして今後の戒めにしたいということで質問しているわけであります。我が国の自主性を守る点で政治資金規正法22条の5がつくられているという点について、総理の御所見を承りたいと思います。

[193]
政府委員(自治省行政局選挙部長) 浅野大三郎
政治資金規正法には外国人等からの寄附の受領を禁止する規定がございますが、その規定の趣旨について申し上げますと、これは外国勢力の影響を受けるのを防ごう、そういう趣旨でございます。





平成01年10月20日 参議院 予算委員会
[290]
自由民主党 前島英三郎(八代英太)
そして、これらの政策を打ち出すためには、信頼される政治がしっかりと基本になければならないと思うのでありますけれども、週刊文春の報道をきっかけとして今パチンコ疑惑が取りざたされておりまして、中には第2のリクルートなどと早合点報道もあるようでありますが、私にはそうは思えません。この疑惑の焦点は、献金の多い少ない、だれが幾らの話ではなくて、献金を受けた背景に疑惑があると報じられている点であります。

今回問題となっているのは、献金そのものではなく、献金を受けて業界の立場に立って動いたか否か、そこに外国の意思が絡んでいたかどうかという点にあると思います。この疑惑報道をこのまま看過しますとまた政治不信を大きくしてしまう危険性を持っているということでありますので、この際ただしておきたいと考えます。



[312]
自由民主党 山岡賢次
それでは、具体的な例をお聞きいたします。社会党とパチンコ業界の一部癒着の構造を示す具体的例の一つでございます。

昭和61年、兵庫県三木市におきまして、営業許可の失効したパチンコ店の営業を再開させるために、某国会議員から――先輩議員でもあり同僚議員でもございますので、この際名前は差し控えさしていただきます。某国会議員から警察当局に対する働きかけがあったとこう聞いておりますが、それは事実でありましょうか。また、その目的を達成するために県条例を改正した、こういうふうにも言われているわけでございますが、それも事実でございましょうか。

[313]
政府委員(警察庁刑事局保安部長) 森廣英一
お答えをいたします。

まず、お尋ねのパチンコ屋の許可失効事案の内容でございますが、問題のパチンコ屋さんは昭和57年12月21日付で兵庫県公安委員会から営業許可を受けて開業され、その後2回の許可の更新を行って営業をしていたところでございますが、昭和60年の暮れ、3回目の許可の更新をうっかり受けなかったために営業許可の効力が失われたという事案でございます。当時の条例によりますと、このパチンコ屋の営業場所が風俗営業の制限地域とされていたために、一たん失効すると新規許可が受けられず、事実上廃業に追い込まれていくおそれのあった事案でございます。

この営業者の救済について国会議員から当時の警察庁担当者に働きかけがあったかとのお尋ねでございますが、当時そのような事実があったと聞いております。また、県条例の改正が行われたことも事実でございます。

[314]
自由民主党 山岡賢次
今、働きかけがあったと、こういうお答えでございますが、その県条例の改正の内容について説明をしてください。

[315]
政府委員(警察庁刑事局保安部長) 森廣英一
御指摘の兵庫県の条例改正につきましては、昭和62年2月26日に可決成立し、翌27日から施行されたものでありまして、改正内容は次のとおりでございます。

すなわち、当時の兵庫県の施行条例では、いわゆる住居地域につきましてはパチンコなどの風俗営業ができない制限地域に指定されておりましたが、国道または主要県道、市道から30メートル以内の住居地域であって、良好な風俗環境を保全するために特に支障がないと認められる場所につきましては、営業制限地域から除外をするという改正がなされたものでございます。

当時、兵庫県におきましても地域開発等により住居地の商業化が進んでいたこと、及び隣接府県の条例に既に同様規定が盛り込まれていた点等を勘案いたしまして、地域の実情に沿うよう、ただいまの内容の改正をいたしたものでございます。

[316]
自由民主党 山岡賢次
結果はそういうことかもしれません。しかし、(発言する者あり)

何が悪いかと言っておられるが、そのプロセスが悪いのでございます。

国民は、一つのパチンコ店の営業を再開するために特例を設けてこのような県の条例の改正を行う、そういう必要がどこにあったのだろうか、非常に不思議に思って当然であります。なぜそんなことをしなければならなかったのであろうか。そこにパチンコ業界の一部とこうした働きかけを行った国会議員及びその所属する政党との間に特別な関係が存在すると見られてもいたし方ないことと思います。そして、その特別な関係こそ今提起されているパチンコ疑惑の核心であると、このことをまずはっきりと申し上げておきます。

具体的にお伺いをいたします。報道によれば、同議員はそのパチンコ店を救うために警察庁に圧力をかけたり、地元の三木警察署署長に電話をしたりとありますが、これは事実でありますか。

[317]
政府委員(警察庁刑事局保安部長) 森廣英一
お答え申し上げます。

パチンコ店の救済につきまして、当時の警察庁の担当者に対して働きかけがあったことは事実であり、また、当時の三木署長に電話があったというふうにも聞いております。

[318]
自由民主党 山岡賢次
働きかけがあったのは事実だと。(発言する者あり)

圧力じゃないと、こうおっしゃっておりますが、その働きかけによって警察は大変困りましたか。

[319]
政府委員(警察庁刑事局保安部長) 森廣英一
当時、そういうような働きかけによりまして種々検討をしたというふうに聞いております。

[320]
自由民主党 山岡賢次
それでは、昭和61年10月に参議院議員会館の某室におきまして、その議員に仲介にて、この兵庫県三木市の休業パチンコ店の営業を再開することにおいて、遊技場業界の幹部に警察の担当者が無理に引き合わされたと、こういうふうに報道をされておりますが、これは事実でありましょうか。

[321]
政府委員(警察庁刑事局保安部長) 森廣英一
御質問のように、当時の警察庁担当者がその引き合わせによりまして業者と面会したことがあると聞いております。

[322]
自由民主党 山岡賢次
面会した事実があると。その事実だけで、もうあとは聞かなくて十分な内容でございます。

さらに、その国会議員は、このパチンコ店の問題が解決しない限りシートベルトの国会審議には応じないと、こういうふうに警察に迫ったと聞いておりますが、これも事実でありましょうか。

[323]
政府委員(警察庁刑事局保安部長) 森廣英一
議員から具体的にどのような言葉で迫られたかというようなことにつきまして一方的に公表することは差し控えたいと存じますが、シートベルトに関する審議を行っている時期に問題の業者の救済に関する働きかけがあったことは事実でございます。

[324]
自由民主党 山岡賢次
いま一度お伺いいたします。

シートベルトの国会審議を行っている最中に働きかけがあったと、こういうふうに言われましたか。

[325]
政府委員(警察庁刑事局保安部長) 森廣英一
そのとおりでございます。

[326]
自由民主党 山岡賢次
それでは、さらに詳しくお聞きしたいと思います。

昭和61年10月7日、参議院地方行政委員会風俗営業等に関する小委員会におきまして、この兵庫県三木市のパチンコ店の営業許可のことの質疑が行われたと。議事録によってその内容を説明していただきたいと思います。

[327]
政府委員(警察庁刑事局保安部長) 森廣英一
御説明いたします。

御指摘の小委員会におきましては、昭和60年6月に改正されておりました道路交通法を施行するための政令に関しまして、シートベルトの着用率の進捗状況及び反則金等の改正案につきまして警察庁から説明をし、それについて審議をいただいていたという委員会でございますが、その中で今御指摘のような質問がなされております。

質問の内容につきまして、御指示でございますので、当時の議事録を若干引用しつつ御説明を申し上げたいと存じます。

委員会は61年の10月の7日の委員会でございますが、冒頭におきまして、まず警察庁の交通局長からただいま申し上げましたシートベルトの着用率の進捗状況並びに政令改正案の内容につきまして説明をいたした上で、最初の質問でございますが、ただいまの警察庁の説明に対し、「交通問題に入る前に一つ確認しておきたい点があるんですが、」という前置きがありまして、先ほど御説明をいたしましたパチンコの失効事案の内容につきまして尋ねた上で、「このような許可後に営業場所の制限に変更があった場合には、更新忘れというわずかなミスが、実質的には廃業という重大な結果につながっていく。」、「うっかりミスということで届け出1年の更新の手続を忘れたがゆえに廃業になる。こういうことになりますと、これは法の趣旨にも合致しませんし、これらの事案について何らかの救済措置が必要であると思うんですが、いかがですか。」という趣旨の質問がございました。

これに対し、当時の保安部長が「御案内のとおり各都道府県におきましては、風営適正化法施行令第6条に定める基準に従いまして、各都道府県施行条例の中で営業制限地域の指定をいたしております。」、「営業場所の制限がなされた場所では、」「新規の許可はできないこととされております。お尋ねの事案につきましても、子細に検討いたしましたけれども、新規に許可をいたすことは不可能でございます。」という答弁を一たんいたしました。

これに対しまして、さらに、「この辺に法の不備があるのか。例えば運転免許の場合、2カ月や3カ月のいわゆる救済期間がございますね。そういうこと等考えてみますと、何らかの対策を講じるべきではないかというように思うんですが、この点はいかがですか。」というお尋ねがございまして、同部長が「申し上げるまでもなく、許可申請を忘れることのないように措置」していただくことが「第一と考えますが、」「何らかの方法をもって救済し得るか、前向きに検討さしていただきたいと考えております。」という答弁がなされました。

これを受けまして、議員が「わかりましたが、当該業者の皆さんから見ますと、うっかりミスが廃業につながるということは生活権にかかわる重大なことですし、」、「法の趣旨というのは、」「保護育成ということを基本に置いているわけですから、ここら辺の取り扱いについては」「慎重に」「適切に、再びこういうことが起こらぬように、」「対処してほしいということを要望しておきたいと思いますが、よろしいですか。」という発言がございまして、「そこで、本論に戻ります」ということで、シートベルトの質疑に移っておられるようでございます。(「堂々たるもんじゃ」と呼ぶ者あり)

[328]
自由民主党 山岡賢次
問題は、その言っていることが堂々たるものを論じているのではないのであります。この審議においては、道交法の政令改正のシートベルト着用に関する審議を行っていたのであります。その内容ではございません。突如として、兵庫県の地方都市の一パチンコ店に関する質疑が行われた。つまり、全く別な審議をしているときにそのことが問われ、その前には、そのパチンコのことをやらなければ審議をしない、こういうことはまことに奇異に感ずる次第であるわけでございます。

道交法所管の国家公安委員長、以上で明らかなとおり、一パチンコ店のために警察に圧力をかけ、県条例を改正させる。そして、その圧力の手段として道交法の審議に応じないと、さらに大きな圧力をかけたことは間違いのないことであります。これは大変ゆゆしき事態であり、大変な問題であると思うわけでございますが、国家公安委員長・自治大臣、いかがでございましょうか。

[329]
自治大臣・国家公安委員長 渡部恒三
お答えいたします。

御指摘のようなことは決してあってはならないことであると思います。もしそのようなことが事実であるとすれば、大変遺憾な事態であると受けとめております。



[332]
委員長 林田悠紀夫
ただいまの山岡賢次君の発言につきましては、速記録を精査し、事実関係について調査をすることといたします。





平成01年10月30日 参議院 予算委員会
[100]
自由民主党 山岡賢次
本日は、朝鮮総連の問題に関する質問から始めさせていただきます。

まず、公安調査庁にお伺いをいたしますが、さきの前島議員の質問で、朝鮮総連の中に7人の現職の北朝鮮の国会議員がいる、こういうふうに承りましたが、それはだれとだれのことで何をしている人たちなのか、また、日本に住んでいる人たちであるか、御説明をいただきたいと思います。

[101]
政府委員(公安調査庁次長) 古賀宏之
お答えいたします。

韓徳銖在日本朝鮮人総連合会中央常任委員会議長、李珍珪同第一副議長、全演植同副議長兼在日本朝鮮人商工連合会会長、朴静賢在日本朝鮮民主女性同盟委員長、南時雨朝鮮大学校長の5名が北朝鮮の国会議員であります。

このほか、前に朝鮮総連副議長をしていた李季白氏、在日本朝鮮文学芸術家同盟委員長をしていた許南麒氏の2名も代議員をしておりましたが、李季白氏は既に北朝鮮へ帰還し、許南麒氏は既に故人となっております。

これらの人は、いずれも第二次世界大戦終戦以前から現在まで我が国に継続居住しております。

[102]
自由民主党 山岡賢次
そのようなことから北朝鮮と朝鮮総連との関係についてお伺いいたしますが、両者は親子のように極めて密接で一体的な関係にあると言えるのでありましょうか、公安調査庁。

[103]
政府委員(公安調査庁次長) 古賀宏之
お答えいたします。

当庁としては、北朝鮮と朝鮮総連との関係は、委員御質問のとおり極めて密接で一体的な関係にあると認識しております。

[104]
自由民主党 山岡賢次
公安調査庁はどのような根拠に基づいてそのような認識を持っておられるのでありましょうか。

[105]
政府委員(公安調査庁次長) 古賀宏之
お答えいたします。

朝鮮総連は、まずその綱領の中で「我々は、在日全朝鮮同胞を朝鮮民主主義人民共和国政府の周囲に総結集」させると規定しており、またその規約の中で、北朝鮮の祖国統一民主主義戦線に団体として加盟することを規定しております。一方、北朝鮮は憲法で、在日朝鮮人を自国の海外公民と規定しているほか、北朝鮮国家主席金日成みずからもその著作の中で、在日朝鮮人同胞を共和国の公民として法的に保護する旨述べております。

さらに、先ほど答弁しましたとおり、朝鮮総連及びその傘下にある団体の主要幹部5名が北朝鮮の最高人民会議代議員として選出されている点を指摘することができます。また、最近の例で言うと、北朝鮮側は先月開催された朝鮮総連第15回全体大会に金日成主席の祝賀文という形で、祖国統一活動など朝鮮総連が今後取り組むべき課題を具体的に命令しており、他方、朝鮮総連側はこれにこたえて、金日成主席あてにその命令を徹底的に貫徹する旨の手紙を送っている。

このような事実にかんがみて、北朝鮮と朝鮮総連は極めて密接な一体関係にあると見ております。



[122]
自由民主党 山岡賢次
さて、その朝鮮総連が1988年8月8日付で総連各本部委員長及び中央団体、事業体責任者にあて、「日本警察当局が遊技業界に導入しようとしている「パチンコ全国共通カード」制度を徹底的に阻止させることについて」と題する内部文書を出しております。「この通達が外部に漏えいしないように取り扱いを厳重にしなければならない」と書かれたこの文書の差出人は「在日本朝鮮人総連合会中央常任委員会議長韓徳銖」とありますが、これはさきに説明のありました北朝鮮の現職の国会議員のことであるのでありましょうか、公安調査庁。

[123]
政府委員(公安調査庁次長) 古賀宏之
お答えいたします。

ただいまお触れになりました文書にそのような肩書、氏名が記載されているとすれば、それは私が先ほど答弁した韓徳銖氏と同一人物であると考えます。

[124]
自由民主党 山岡賢次
またこの文書の中に、「不当なカード制度の導入を阻止するための商工会の闘争を直ちに掌握し、よく指導しなければならない、具体的な内容については、商工連地方協議会、8月3日を通じて県商工会に浸透させている」ということが記載されておりますが、この8月3日というのは、まだパチンコ業界でもほとんどの人がプリペイドカードの導入計画については知らなかった時期であると承知いたしております。このことは、プリペイドカード導入の反対運動は朝鮮総連が指示してやったということを意味していると思われますが、警察庁、いかがでございましょうか。

[125]
政府委員(警察庁刑事局保安部長) 森廣英一
お答えいたします。

御指摘の8月上旬の時期は確かにいまだに全遊協ではプリペイドカード導入について多くの人がそれを知りませんが、その時期におきましてはもちろん、現在におきましても、全遊連、全遊協、いわゆるパチンコ屋さんの団体においては正式に反対の議決はしておりません。

[126]
自由民主党 山岡賢次
朝鮮総連と業界の一部がプリプイドカード導入に反対している反対理由についてどのように考えるか、警察庁、御説明いただきます。

[127]
政府委員(警察庁刑事局保安部長) 森廣英一
お答えいたします。

私どもは、このプリペイドカードに一部であろうともパチンコ営業者の方々が反対しているという理由が実はよくわからないというのが正直なところでございます。

そもそも、このプリペイドカードの導入という言葉からいたしますと、何かカード制度というものが法律か何かで制度として執行されるような印象を一見与えるのでございますが、これは決してそういうものではない。ある会社がプリペイドカードを作成いたしまして、それを使うようなシステムをパチンコ業者の方に売り込んでまいる、それをパチンコ業者の方が買い入れればそのシステムが働くわけでございまして、それを実施するかしないか、導入するかしないかはパチンコ業者の方の任意のことでございますので、反対というのは余り意味がないのじゃないかというふうに考えております。

[128]
自由民主党 山岡賢次
さらにその文書の中には、「この制度が導入されたならば、「各店舗の売上高はもちろん、経営状態が掌握され企業活動の自由な発展と公正な競争が困難になり、経営活動に大きな支障を来す」とか、「各店舗の経営内容が大企業と日本当局に掌握され、当局の監視と統制のもとで、我が遊技業者に対する民族的迫害と弾圧が一層甚だしくなる」」と記されておりますが、国税庁、もし各店舗の売上高を含めた経営状態が掌握され、各店舗の経営内容が国税当局に掌握できた場合には、脱税はこれを大幅に防止でき得ることになるのでありましょうか。

[129]
政府委員(国税庁次長) 岡本吉司
売り上げを初めといたしまして企業の経営内容等が我々国税の資料としてきちんと掌握されるならば、それは脱税といいますか、所得の捕捉漏れを防止するために大いに役立つだろうと考えております。

[130]
自由民主党 山岡賢次
このように、北朝鮮と表裏一体である朝鮮総連がパチンコ業界のプリペイドカード導入に反対する指令を出している。特に国会議員との活動をよく行い、日本の国会で問題化させなければならないと国会議員に働きかけるように指令をしております。

さらに、朝鮮総連は1988年11月28日に再び「「遊技業全国共通カード」に反対する闘争を全機関的に強力に展開することについて」と題する文書を出して、前の文書と同じようなことを指令しております。前の文書と少し違いますところは、前文では国会議員への働きかけを指令していただけでありましたが、今回は、「総連中央と商工連では、日本の国会議員との活動も数回にわたって行った」と、国会議員との活動が数回行われたと報告している点であります。

ところで、警察庁、何ゆえ朝鮮総連はこの時期に再び同じような文書を出したのでありましょうか。

[131]
政府委員(警察庁警備局長) 城内康光
お答えいたします。

朝鮮総連の内部事情はよくわからない点があるわけでありますが、当時出されました朝鮮総連の機関紙朝鮮新報、これは1988年11月21日付のものでございますが、これなどを見ますと、「売り上げや経営内容などが掌握される恐れがある。」というふうな記載とか、あるいはこのカード問題について「業者らは「死活問題」といっており、」云々というような文言がありますので、そういったところから相当危機感を持っていたのではないかというふうに推察をしております。

[132]
自由民主党 山岡賢次
それではここにおいて、そのパチンコ業界とプリペイドカード導入の問題、さらにはそれにまつわる社会党議員及び社会党との関係の問題に入ります。

まず、パチンコ業界へのプリペイドカード導入問題について警察庁にお伺いをいたします。プリペイドカードは既にいろいろな業界に導入されているところでありますが、このカードをパチンコ業界へ導入するメリットとデメリットを御説明いただきたいと思います。

[133]
政府委員(警察庁刑事局保安部長) 森廣英一
お答え申し上げます。

プリペイドカードシステムは、ファンにとりましては多くの硬貨を用意する必要がなくなりまして、電話やJR切符のカードと同様に非常に便利なものであろうというふうにまず思います。

次に、パチンコ事業者の方々にとりましては、会社の経理が機械化、自動化されますので、このため経理の合理化、適正化が図られることから、パチンコ業の健全化につながります。ひいては、暴力団につけ込まれるような弱点も少なくなるだろうというふうに思います。パチンコ店で取り扱う現金がなくなることによりまして、よくある強盗の被害事件が減ったり、店内の現金の事故も減るのではないかという防犯上の効果も考えられるところであります。また、カードの利用によりましてパチンコのファン層が拡大すれば、それだけ業界の繁栄につながるのではないかというふうに思います。

ただし、そのカードシステムの運営がもし適切さを欠く場合にはいたずらに射幸心をそそることとなるおそれがないわけではございませんので、カードの額面価格を一定のものに抑制するとか、宣伝のあり方につきまして警察庁で所要の指導を行う等によりまして、そのようなデメリットの防止が可能であるというふうに考えております。

このようにいたしまして、警察庁といたしましてはプリペイドカードは結構なものだというふうに考えております。

[134]
自由民主党 山岡賢次
パチンコ業界は、さきの衆議院予算委員会においても質問がございましたが、脱税ワーストワンと言われております。これというのも全く領収書なしの現金商売であるからでありまして、もしプリペイドカードを導入するということになりますと脱税対策面でも非常にプラスになると思いますが、国税庁のお考えをお伺いいたします。

[135]
政府委員(国税庁次長) 岡本吉司
パチンコ業にかかわりますプリペイドカードの仕組み、制度はまだやや不分明な点もございますけれども、仮に第三者機関、第三者がカードを発行いたしまして、それでパチンコ業者との間で売り上げの決済が行われる、こういった仕組みを前提といたしましてプリペイドカードが導入され、そしてそのカードによりまして各店舗ごとの売り上げが集計、管理される。なおかつ、その集計、管理された資料あるいはその利用代金の決済を我々国税当局が確認できる。もう一つはプリペイドカードが相当程度普及する、こういった前提に立ちますと、パチンコ業者の税務調査におきましては真実の売り上げというものの把握が非常に容易になろうかと考えるわけでございます。

他方、パチンコ業者の税務面におきます不正の手段としましては売り上げ除外が多いわけでございます。したがって、そういった売り上げ除外の多い業者にこういった売り上げの把握のしやすい制度が導入されますと、脱税と申しますか所得の捕捉漏れと申しますか、そういったものを抑止する上で相当の効果があろうと考えております。

[136]
自由民主党 山岡賢次
ただいまの国税庁の答弁をお聞きいたしますと、プリペイドカードの導入は業界の健全化並びに脱税防止に大変プラスになるということでありました。

御案内のとおり、このプリペイドカードの導入をめぐって昨年来、パチンコ業界では大混乱が続いております。パチンコの愛好者は既に3000万人を超えていると言われ、国民にも非常に親しまれているものであります。今や業界の大部分の人たちも、脱税ワーストワンなどと言われることのない健全なゲーム場の提供をいたしたいと願っているところであります。プリペイドカードについて業界の一部が反対するのはわからないでもありませんが、朝鮮総連が反対し、その朝鮮総連の反対に特定の政党の国会議員が加担して警察に圧力をかけたとされているところに大きな問題があるのであります。

そこで、今回のプリペイドカード導入に関して、自民党、公明党、民社党の国会議員から導入反対の圧力があったのか否か、警察庁にお伺いをいたします。

まず、自民党からの圧力があったのでございましょうか。

[137]
政府委員(警察庁刑事局保安部長) 森廣英一
お答えします。

若干の御質問やら照会は受けたことはありますが、働きかけを受けたことはございません。

[138]
自由民主党 山岡賢次
では、公明党からの圧力があったのでございましょうか。

[139]
政府委員(警察庁刑事局保安部長) 森廣英一
お答えします。

働きかけを受けたことはございません。

[140]
自由民主党 山岡賢次
それでは、民社党の国会議員から圧力を受けたことがありますでしょうか。

[141]
政府委員(警察庁刑事局保安部長) 森廣英一
働きかけを受けたことはございません。

[142]
自由民主党 山岡賢次
では、社会党の国会議員からの圧力があったのでありましょうか。

[143]
政府委員(警察庁刑事局保安部長) 森廣英一
お答えいたします。

慎重にやるようにとか、あるいは警察主導で導入することはよくないとかいうようないろいろの御意見は承っております。

[144]
自由民主党 山岡賢次
もう一度お伺いいたします。

自民党、公明党、民社党からの圧力があったのかどうか。(発言する者多し)

[145]
委員長 林田悠紀夫
静粛に願います。

[146]
政府委員(警察庁刑事局保安部長) 森廣英一
ございません。

[147]
自由民主党 山岡賢次
それでは、社会党からの圧力があったでしょうか。

[148]
政府委員(警察庁刑事局保安部長) 森廣英一
圧力という表現は別といたしまして、先ほど御説明したように働きかけを受けております。

[149]
自由民主党 山岡賢次
その社会党からの圧力は、いつごろからであったのでありましょうか。

[150]
政府委員(警察庁刑事局保安部長) 森廣英一
先ほど御説明いたしましたいろいろ働きかけがありましたのは、昨年の8月ころからであったと記憶をいたしております。

[151]
自由民主党 山岡賢次
その時期は、朝鮮総連がプリペイドカード導入反対を指令した時期、すなわち8月3日とほぼ軌を一にしているということでありましょうか、警察庁。

[152]
政府委員(警察庁刑事局保安部長) 森廣英一
お答えいたします。

軌を一にしているかどうかの認定は別といたしまして、先ほど御答弁いたしましたように、8月の上旬のころであったと記憶いたしております。

[153]
自由民主党 山岡賢次
このように社会党の国会議員からプリペイドカードの導入をやめるようにという圧力があったと警察庁が言っているのにもかかわらず、社会党は去る13日に発表いたしました「いわゆる「パチンコ疑惑」についての見解」の中で、「プリペイドカード導入について「反対」の立場はとったことはない」と強弁をいたしております。社会党が反対をしたことは、5月1日付の社会党みずからが発刊をしております「社会新報」の記事を見ただけでも明白であります。

[157]
自由民主党 山岡賢次
さきに指摘をいたしましたとおり、このパチンコ業界のプリペイドカード導入に対する猛烈な反対運動を行っている朝鮮総連と社会党は友好関係にあったことが社会党見解にもはっきりと書いてあります。そして、9月25日には朝鮮総連の大会に土井委員長が出席をして熱烈なエールを送っております。しかも、今回の社会党のプリペイドカード導入反対は昨年8月前半から活発に動き出しており、さきの朝鮮総連の内部資料のプリペイドカード導入反対の指令と軌を一にしております。このことは、どう考えても社会党は朝鮮総連から頼まれて動いたと言わざるを得ないのであります。しかも、全く人道上の問題である第十八富士山丸釈放問題と絡めた疑いもあります。

繰り返しますが、社会党は、さきの衆議院の予算委員会で公安調査庁が「危険な団体」であり「当局が監視をしている」と指摘をしている朝鮮総連からプリペイドカードの導入反対について頼まれた疑いが極めて強いのであります。その朝鮮総連から社会党議員が献金を受けていた、こういう事実も伝えられております。そういった形で社会党が脱税を助けるためプリペイドカードの導入に反対したとするならばこれはゆゆしき一大事であり、社会党というのは果たしてどこの国の政党なのであろうかと言わざるを得ないのであります。そして、その社会党が自民党に次ぐ日本国の第2の政党であり、野党連合政権の盟主たらんとしているのが昨今の実態であります。私は、このことに対し国家的国民的危惧を強く訴えて、私の質問を終わらせていただきます。





平成01年10月31日 衆議院 予算委員会
[083]
自由民主党 山崎拓
私なりにと申し上げたのでございますが、国民の皆様方にパチンコ疑惑について感想を聞いてみますと、これはパチンコ業界が脱税をいたしましてその金を各政党や多くの政治家に献金した、その目的もプリペイドカードの導入の反対のためだ、そういう解釈が多いと申しますか、そういう解釈にとどまっておる傾向があるわけでございます。私は、本日午前中の小里議員の質疑あるいは衆参同僚議員の質疑を通じまして、あるいはマスコミの報道を通じまして、私なりにまとめてみたのでございますが、そこでその点を整理して申し上げたいと思います。

第1点は、パチンコ業界は脱税ワースト・ナンバーワンの業界であることであります。

第2点は、パチンコ業者の約3割は北朝鮮系であり、つまり朝鮮総連の傘下にあるということであります。

第3点は、朝鮮総連の財政資金の多くをパチンコ業界が提供していると言われていることであります。

それから第4点は、その朝鮮総連と北朝鮮本国とは一体の関係にあるということであります。

第5点は、そして朝鮮総連傘下のパチンコ業者から提供された資金が北朝鮮本国に不法に送金されていると言われていることであります。

第6点は、もしプリペイドカードが導入されるといたしますと、パチンコ業者の売り上げがかなり正確に捕捉されることになり、脱税が難しくなるということであります。そしてそのことは、ひいては朝鮮総連の資金源を枯渇させることになるということであります。

第7点は、よって朝鮮総連は、今日まで密接な関係を保ってきた社会党にこれを依頼して、プリペイドカードの導入を阻止せんとしてきたことであります。そのことは、社会党が本件を余り追及すると国際問題になるぞと示唆いたしましたことにもあらわれておると思うのであります。

第8点は、この際、そのようなことはないと信じたいのでございますが、マスコミ等によれば、多額の工作資金が朝鮮総連からいずれかの政党に流れた可能性があるということでございます。もしそれが事実だとすれば、これは大きな問題でございまして、単なる外国人もしくは外国団体から政治献金を受けてはならないとする政治資金規正法違反にとどまらないということであります。

最後の第9点は、朝鮮総連が公安当局が治安維持のため重大な関心を持つ危険団体であることにかんがみまして、そのような団体から野党第一党の社会党がかりそめにも操られていたとするならば、単なるこれは贈収賄事件ではなくて、国家、社会の治安にもかかわる重大事件であると申すほかはないのであります。

以上、これが私の本件の本質的な問題がどこにあるかということについての整理いたしまして申し上げた所見でございますが、この点につきまして総理大臣の所見をお伺いしたいと思います。

[084]
内閣総理大臣 海部俊樹
ただいまいろいろと御指摘になりましたが、私も具体的な内容はつまびらかにいたしておりませんので何とも申し上げられませんけれども、通常の政治献金であったのかどうか、あるいは一部に報道されているようなことがあったのかどうか、よくわかりません。したがいまして、事の性格上、国会の御論議を通じてその事の真相がどうであったかということが明らかにされるように、各党の皆さんの御論議をなされることを私は見守らしていただきます。

[085]
自由民主党 山崎拓
総理からも国会審議を通じて問題の全体像を明らかにしろ、こういう御所見が述べられたのでございますが、そこで私は、ただいま指摘いたしました諸点について、順を追って確認してまいりたいと思います。

まず第1に、パチンコ業界は脱税ワースト・ナンバーワンの業界であるかどうかにつきまして、大蔵省にお伺いいたします。

[086]
政府委員(国税庁次長) 岡本吉司
最近のパチンコ業についての国税の調査事績を申し上げさせていただきたいと思います。

まず法人税関係でございますが、昭和63事務年度の事績を見ますと、684件調査を実施いたしました結果、約159億円の申告漏れの所得が把握されております。このうち不正申告のあったもの1件当たりで規模を見てまいりますと、不正脱漏所得金額で3874万円、1件当たり3874万円になります。これは業種別に見ると第1位となっておりまして、ちなみに第2位の建売・土地売買を見ますと2870万円ということでございますので、およそ1000万円多くなっているということでございます。

次に、ちなみに62年度、61年度、2年さかのぼってみますと、このパチンコ業界の方は62事務年度で1件当たり3412万円、61事務年度で3126万円と、いずれも業種別でトップでございます。

それから所得税関係でございますが、これも63年度を見てまいりますと174件の調査を実施しております。その結果、約66億円の申告漏れの所得を把握しております。これを調査1件当たりの漏れ所得金額で見てみますと、3781万円ということで、やはり業種別に見まして第1位ということでございます。ちなみに第2位が病院でございまして、1612万円ということで半分以下の金額でございます。なお、さかのぼりまして62年度では1件当たり3373万円、61年度では2107円と、いずれも業種別では第1位ということになっておるわけでございます。

このように状況を踏まえますと、企業規模の問題があるにせよ、また当然のことながらきちんと申告されている方が多数おいでになるのも事実でございますけれども、パチンコ業界が所得税の世界あるいは法人税の世界におきましてワースト・ナンバーワンと、こういう御指摘がありましてもあながち言い過ぎではなかろうというふうに私たち考えております。

[087]
自由民主党 山崎拓
私の質問は、同僚議員の質問とダブるところがございますけれども、非常に整理をいたしまして、国民の皆様方に事件の真相を知っていただきたいという観点から御質問申し上げておりますので、その点お許しいただきたいと思います。

第2に、パチンコ業者、ただいま脱税がワースト・ナンバーワンであるというお話がございましたけれども、そのパチンコ業者の3割は北朝鮮系である、これは事実か。そしてそのことは、そのパチンコ業者は実際上朝鮮総連の傘下にあるということを考えていいかどうか。さらに、その朝鮮総連の財政資金の多くをパチンコ業者が負担している、そう考えていいかどうか。そういう諸点につきまして、警察庁、お答え願いたいと思います。

[088]
政府委員(警察庁刑事局保安部長) 森廣英一
お答えいたします。

警察独自にさような調査をいたしてはおりませんけれども、巷間パチンコ業者の方の大体3割ぐらいが北朝鮮系の方々だと言われていることは承知をしております。また、北朝鮮系の方々であれば、商工連に入って、朝総連に入っていられる方が多いというふうに思われます。

[089]
自由民主党 山崎拓
朝鮮総連の実体につきましては、小里議員からも質疑があったところでございます。朝鮮総連と在日朝鮮人商工連合会、商工連との関係は、これは既に明らかになっておるところでございまして、その商工連の中でパチンコ業者の占める地位というものは、ただいま御答弁にもございましたけれども、極めて貢献度が高い、財政的貢献度が高いものと私は理解をいたしておるところでございます。

そこで進めますが、さらに、その朝鮮総連と北朝鮮とは、これは一体の関係にあるということはもう既に質疑で何回も明らかにされたところでございますが、もう一度警察庁にその点を確認いたしておきます。

[090]
政府委員(警察庁警備局長) 城内康光
お答えいたします。

朝鮮総連の綱領等から判断いたしまして、朝鮮総連と北朝鮮とは極めて密接な関係にあるというふうに理解しております。

[091]
自由民主党 山崎拓
極めて密接に関係があるということでございまして、もうこれ以上申し上げる必要もないと思いますが、小里議員も指摘されましたように、朝鮮総連は北朝鮮を支持する在日朝鮮人で構成された外国人団体であり、北朝鮮と極めて密接な関係を有して、朝鮮総連議長の著した本の中にも、在日朝鮮人運動は共和国政府、北朝鮮の指導のもとに置かれねばならないと記述がございます。さらに、朝鮮総連は、日本国内におきまして反米活動、朝鮮統一のための活動、在日朝鮮人の権益擁護の活動などに従事をしておる。朝鮮総連の前身の民戦は、昭和27年ごろ、皇居前メーデー事件、吹田騒擾事件、大須騒擾事件等に参加した。昭和30年から現在まで、民団との間でいろいろな問題をめぐり抗争事件を起こして多数の検挙者を出している。さらに、北朝鮮は従来から我が国に秘密工作員等を密入国させており、朝鮮総連関係者がこれに関与しているというたくさんの事例がございます。さらに、これも何回も指摘されたことでございますが、朝鮮総連の幹部に北朝鮮の現職国会議員が5人もいるという事実も明らかにされてまいったところでございます。そして、朝鮮総連は北朝鮮と極めて密接な関係にある団体であり、他方、北朝鮮がビルマ・ラングーン事件や大韓航空機爆破事件を敢行したことは周知のとおりであります。そういうことをもう一度、私といたしましては国民の前に明らかにしたかったのでございます。

そこで、その朝鮮総連の本部がどこにあるかということなんでありますが、実は私が現在住まっております九段議員宿舎の隣接にあるということでございます。自治大臣も同じ九段宿舎にいらっしゃいますが、その九段宿舎は千代田区富士見2丁目14番3号なんでありますが、ところが、この朝鮮総連中央本部が入っております通称朝鮮中央会館と言っているのですが、この朝鮮総連の中央会館、これは2丁目14番15号でありまして、全くの実は隣接した建物でございます。靖国神社に近い一等地にあるのでございますが、この前実は私はその朝鮮総連本部の前まで行ってみたのであります。散歩で行ってみたのでありますが、これは非常に堂々たる門構えの中に10階建てのビルが建っておりまして、門はかたく閉ざされて人を受け付けない風情でございましたが、そこに隠しカメラが備えてありまして、私がちょっとうろうろしておりましたら、ぱっと中から人が出てまいりまして、何をやっているんだということを実は誰何されたのでございます。朝鮮中央会館の持っているイメージが、私にとりましては本当に何というか、国内にこんな暗くかたく閉ざされた建築物があるのかという印象を持った次第であります。

そこで、法務省にお伺いしますが、この土地、建物の登記はどうなっているのかということであります。

[092]
政府委員(法務省民事局長) 藤井正雄
委員がただいまお示しになりました富士見2丁目14番15号と申しますのは住居表示番号でございますが、地図で対比してみますと、ここの地番は富士見2丁目5番4、5番5に当たると思われます。ここの土地及び建物の所有名義人は関東興業株式会社となっております。

[093]
自由民主党 山崎拓
登記上はただいま御答弁のように朝鮮総連という登記ではございませんで、不思議なことには関東興業株式会社という登記名になっておるのでございます。

そこで、この土地、建物、関東興業名義になっていますが、不動産取得税は支払われておりますか。大蔵省にお聞きします。

[094]
政府委員(自治省税務局長) 湯浅利夫
東京都が在日朝鮮人総連合会の中央本部に対しまして不動産取得税を免除したことを記載した資料があることは承知いたしております。しかしながら、この不動産収得税というのは地方税でございまして、地方税法に基づきましてそれぞれの地方団体が定める条例によって課税をするということになっておりますので、自治省といたしましては、個別、具体の事案につきまして調査権を持っておりませんので、それ以外のことは承知できる立場でございませんので、御了解いただきたいと思います。

[095]
自由民主党 山崎拓
自治省に続けて聞きますが、固定資産税はどうですか。

[096]
政府委員(自治省税務局長) 湯浅利夫
固定資産税につきましても、先ほど申し上げましたように、東京都が免除したということを記載した資料のあることを承知いたしております。

[097]
自由民主党 山崎拓
じゃ、不動産取得税も固定資産税も支払われない、徴収されない理由は何ですか。

[098]
政府委員(自治省税務局長) 湯浅利夫
先ほど申し上げましたとおり、この税は地方税ということで具体的には東京都が課税するということになるわけでございますので、この具体的な内容につきましては私ども承知していないわけでございます。

ただ、一般論として申し上げますならば、固定資産税なり不動産取得税は地方税法によりまして減免することができる規定がございまして、その規定に基づいて都の条例によりまして減免するという道は開かれているということでございます。

[099]
自由民主党 山崎拓
この朝鮮中央会館は、美濃部都知事の時代になりまして実は固定資産税も不動産取得税も免除になったと聞いております。つまり、この朝鮮会館は大使館扱いにされているのですね。大使館と同等であるから免除する、そういう解釈ではないかと考えられるわけでありますが、外務省、この総連の中央会館を大使館とみなしていいですか。

[100]
政府委員(外務省アジア局長) 谷野作太郎
お答えいたします。

北朝鮮とは外交関係かないわけでございますから、朝鮮総連の建物は大使館ではございません。

[101]
自由民主党 山崎拓
ただいま申し上げたように大使館とみなすべきでない朝鮮総連を、社会党推薦の知事の時代にこれを大使館扱いにいたしまして固定資産税も不動産取得税も免除としてしまったのであります。今日東京に公館を置く外国が円高の影響で土地、建物の売却を余儀なくされているという嘆かわしい現状がいろいろと伝えられておりますが、単なる在日外国人の私的組織にすぎない朝鮮総連が、都心の一等地に牙城を構えて非課税措置の恩恵を受けておる。一方、経済的困窮にあえぐ北朝鮮本国に再三にわたる外貨援助を行っている。今までも指摘されましたし、これから私も指摘いたしますが、そういう現実をどう思うか、見直しをすべきではないかという点について、大蔵大臣もしくは自治省、自治大臣から御答弁をお願いしたいと思います。

[102]
政府委員(自治省税務局長) 湯浅利夫
自治省におきましては、地方公共団体に対しまして、一般的に税の減免につきましては、その内容について徹底的な検討を加えまして、みだりに流れないように特に留意するように通達で指導しているところでございます。税の個別の減免につきましては、地方税法なりあるいは条例等に基づきまして地方公共団体が自主的な判断によって行うわけでございますけれども、税に対する国民の関心が高まっている折でもございまして、税の減免等の取り扱いにつきましては一層の慎重さが必要と考えられますので、地方公共団体に対しまして今後ともそのような指導をしてまいりたいというふうに考えております。

[103]
自由民主党 山崎拓
これは国民の前に明らかにした事実でありますので、厳正な公正な指導を行ってもらいたいと思います。

次に、その税金を納めていない朝鮮総連が本国の北朝鮮に多額の献金を行っておる、しかも不法に行っている、そしてその金が、もとはといえば北朝鮮系のパチンコ業界から提供されたものである、こういう事実が今まで指摘されてまいりましたが、この点どうです。警察庁、お答えください。

[104]
政府委員(警察庁警備局長) 城内康光
お答えいたします。

北朝鮮系のパチンコ業者の方の大半が商工会に参加しております。商工会というのは朝鮮総連の傘下団体でございます。朝鮮総連に賛助金を出す有志の大半がパチンコ経営者と言われておることは承知しております。

[105]
自由民主党 山崎拓
私の方から具体的な事例を挙げてお伺いいたします。

朝鮮総連の財政基盤をパチンコによって築いたと言われる文東建、これは私は読み方がわからないので日本語読みでいたしますが、この方は昭和62年に亡くなられておりますけれども、文東建朝鮮総連の元経済部長、この人は北朝鮮に貨物船東建愛国号を贈ったとされております。その船はビルマ・ラングーン事件に使用されたということが言われておりますが、文東建さん並びにこの事件について、警察庁御存じですか。

[106]
政府委員(警察庁警備局長) 城内康光
お答えいたします。

東建愛国号というのは、1983年ビルマ・ラングーン事件を敢行した北朝鮮テロリストを搬送したというようなことが言われております。どこに言われているかといいますと、この犯人たちを裁いた判決の中でそういった点が触れられておるわけでございます。

御質問にありました文東建氏は朝鮮画報社の社長でございまして、朝鮮総連の副議長でありましたが、故人になった方でございます。この船は5378総トンの新造貨物船ということで、これを北朝鮮に寄附したというふうに言われておるわけでございます。しかし、私が今手元に持っておるのは58年11月4日の週刊朝日でございますが、この記事では「当の文東建氏は、「全く関係ない。同じ名前だからといって、そんなことをいわれても」」云々ということで否定をする記事が出ております。

[107]
自由民主党 山崎拓
この船は高知で建造されたと聞いておりますが、高知で建造されて文東建氏が北朝鮮本国に寄贈した、こうなっておりますが、その場合、輸出手続はどうなったんですか。これは通産省にお聞きします。

[108]
政府委員(通商産業省機械情報産業局次長) 坂本吉弘
現在当省に保管されております輸出の台帳によりますと、東建愛国号は昭和50年11月21日に貨物船として輸出承認の申請がなされ、昭和50年12月5日に承認がなされまして、同51年3月に北朝鮮に輸出されているところでございます。

[109]
自由民主党 山崎拓
文東建氏はこの船を北朝鮮に贈りまして、北朝鮮最高勲章の一つである金日成勲章を授与されたということでございます。

そして、この船はテロリストを先ほどの御答弁のようにビルマに運んだとされておるわけでございますが、外務省、そのときの事実関係について知るところを述べてください。

[110]
政府委員(外務省アジア局長) 谷野作太郎
その間の事実関係をお答え申し上げます。

いわゆる委員御指摘のラングーン事件につきましては、ビルマ政府から、この事件は北朝鮮の指示に基づく破壊工作員の犯行によるものであると立証されたということが正式の発表としてございました。

そして、御指摘の東建愛国号の件でございますけれども、事件の1年の後、84年10月、ビルマ政府が国連に提出した報告書がございますけれども、その中におきましてこのように述べております。すなわち、逮捕された北朝鮮兵士は、犯行グループが83年9月22日に、ある船舶からラングーンに上陸した旨自白しているけれども、右は北朝鮮の貨物船、お話の東建愛国号が同9月17日から24日までラングーンの港に停泊していたとの事実と一致する、これがビルマ政府の発表でございます。

[111]
自由民主党 山崎拓
このとき、社会党はどういう態度をとったかといいますと、大韓航空事件のときもそうでございましたが、事もあろうに北を弁護したという記憶を私は持っておるのでございまして、北朝鮮並びに朝鮮総連と社会党との関係の深さというものを改めて私どもは指摘しなければならないと思うわけであります。

もう一例挙げますけれども、平壌には在日商工人の安商宅という人が贈りました、これは道路でございますが、安商宅通りというものがあるそうでございます。これは警察庁、承知しておられますか。

[112]
政府委員(警察庁警備局長) 城内康光
お答えいたします。承知しております。

朝鮮総連の傘下事業体である東海商事株式会社会長の職にある安商宅氏という方がおりますが、この人は在日商工人でございます。北朝鮮で安商宅通りと名づけられる道路を提供したというふうに承知しております。

[113]
自由民主党 山崎拓
1987年7月27日の朝鮮時報によりますと、「朝鮮民主主義人民共和国中央人民委員会政令によって、北塞通りと牡丹峰地下道建設にこめられた愛国的在日朝鮮商工人の安商宅氏の高い忠誠心と愛国心を永く伝えるため、ここを「安商宅通り」と命名した。 安商宅通りの地下道建設者は、1年はかかるという、のべ3000余メートルの坑道建設を3カ月にもならない短期間で終わらせた。」そういう報道がなされておるわけであります。このような道路建設は恐らく莫大な金がかかったと思われるのですが、これは国税当局に聞きますけれども、どうやってこの金を調達し、どうやって送ったのか。もし大蔵省わかれば教えてもらいたいと思います。

[114]
政府委員(国税庁次長) 岡本吉司
まず、どうしてその資金源を捻出、獲得したかということでございますが、我々国税の調査の際に、問題があろうというふうに認められる業者につきましては、帳簿上計上されている収支は当然のことでございます、確認いたします。それから漏れているものにつきましても極力これを把握するように努めておりますけれども、残念ながらすべてが我々の調査によって解明できない面もございます。これは極めて一般論でございます。

あと、個別の具体的なお話につきましては、個別の話でございますので省略させていただきたいと思います。答弁は差し控えさせていただきたいと思っています。

[115]
自由民主党 山崎拓
私は具体的な2例を挙げたのですが、私の手元にある資料によりますと、資金におきましては、北朝鮮を訪問する活動家らの荷物の中に日本円を混入させて送付するというやり方をとっておるわけであります。昨年9月の北朝鮮創建40周年の際に約20億円を献金したという情報もあるのでございます。大蔵省、どうでしょうか、これは法律違反ではありませんか。

[116]
政府委員(大蔵省国際金融局長) 千野忠男
外国為替及び外国貿易管理法によりますと、対外取引につきましては、一定金額を超える預金とか贈与とか、特定の場合を除いて自由化されておるわけでございます。

今御指摘の円の現金を現物で荷物として送るという問題につきましては、これはこの外為法によりますと、円現金の輸出は500万円以下は自由でありますが、それを超すものは許可を要するということになっております。

[117]
自由民主党 山崎拓
そういう法律違反が行われているということが実は調査の対象にもなっているのであります。

それから、物資につきましては、これは各種建設・生産資機材あるいは生活関連物資、科学技術図書などを送られておるわけでございますが、昭和55年以降の主な送付事例を申しますと、昭和55年には金日成主席誕生記念でビール製造工場、しょうゆ製造工場10億円。それから57年には同じく金日成主席誕生記念でトイレットペーパー製造工場等約10億円。それから昭和58年には北朝鮮創建35周年記念で建設機器製造工場10億円。それから昭和60年には総連結成30周年記念、住宅・ビル用アルミサッシ工場20億円。62年には金日成主席、金正日書記誕生記念といたしまして照明器具製造プラント、体育館など15億円。昭和63年、昨年でございますが、北朝鮮創建40周年記念、建設資機材、生活関連物資、科学技術書など8億円。それから本年、平成元年におきまして、これは第13回世界青年学生祭典、7月1日から8日のようでございますが、スポーツ競技用測定器、大型バス、ブルドーザー、エレベーター等々で83億円という巨大な物資が送付されているのでございます。こういう実態がある。

その資金の調達がどういうふうに行われているかということになりますと、これは朝鮮総連の傘下商工人に、約2万3000人いるそうでございますが、カンパを割り当てているんだと、その2万3000人の中にパチンコ業者が6000人いるんだと、そういう実態があるようでございますが、この点について公安調査庁、どうですか、この私が指摘しました事実について知るところを述べてください。

[118]
政府委員(公安調査庁次長) 古賀宏之
私ども、朝鮮総連の現金の流れということになりますと踏み込んだ答弁になりまして、今後の業務運営に大変な支障を来しますので答弁は差し控えさせていただきたいのでありますが、委員御指摘のとおり、工場プラントや建設資機材などの物資が金日成主席あるいは金正日書記誕生記念日や北朝鮮創建記念日に合わせて毎年のように朝鮮総連から送られておるということは、朝鮮画報等の広報誌などにも書かれておることを十分承知しております。

[119]
自由民主党 山崎拓
違法な形で資金や物資が送られる、本国に送られるということも問題でございますので、十分調査をする必要があると思うのでございますが、この点はさておきまして、そこで、もしプリペイドカードが導入されるということになりますと、パチンコ業者の売り上げがかなり正確に捕捉されるということになって脱税が難しくなると言われておりますが、これは本当であるかどうか。そして、もしそれが本当であるとすれば、そのことは朝鮮総連にとりましても資金源を枯渇されるということになりまして、今まで申し上げた、御指摘いたしましたような本国に金を送ったり物を送ったりできなくなる、やりにくくなるということを意味するわけでございまして、ここで朝鮮総連が猛烈なプリペイドカード導入反対の行動を起こしたということに私はつながってくると思うのでございます。

この点、大蔵大臣、今消費税の問題を国会で審議しているので、今まで申し上げましたように、パチンコ業者の脱税とか、あるいは朝鮮総連が税金を納めない、あるいは不法に物を外国に送るとか、国民の目からいたしますと納得いかない、もっときちんと徴税をやって、正当に取るべきものは取るべきではないか、こういう声も当然あろうかと思いますが、ただいま私が御質問申し上げましたプリペイドカードの導入がどういう影響を与えるかということを含めまして、大蔵大臣の見解をお聞きしたいと思います。

[120]
大蔵大臣 橋本龍太郎
プリペイドカードをどの業界あるいはどの企業が導入をされるかにつきまして、大蔵省としてその是非を論ずる立場にはございませんので、この点についての意見は控えさせていただきたいと思います。

しかし、パチンコ業界というものについて申し上げますと、現金商売であるということから私どもの努力にも限界がありまして、売り上げの実態や資金の支出先などを正確に把握することの困難な場合があることも事実であります。しかし、私どもとしては、事態を解明すべく一生懸命努力をしておりますし、課税上問題があると認められました場合には、今後ともなお一層資料、情報の収集や調査手法の開発などに努めながら、もっと深度ある調査を実施することなどによって課税が適正に行われるように努力をしてまいりたい、そのように思います。

[121]
自由民主党 山崎拓
私が指摘いたしましたように、プリペイドカードが導入されれば大臣のお答えのような課税の適正化が期せられると思うのでございますが、一方、そのことによりまして朝鮮総連の財政に影響が出てくる、そういうことではないかと思うのですね。

そこで朝鮮総連は、このプリペイドカードの導入を阻止せんがために行動を開始した、そして社会党にこれを依頼して阻止の運動を非常に積極的に展開してきた、こういうことになろうかと思うのですが、朝鮮総連が、午前中の小里さんの質疑にも出てまいりましたが、1988年の8月8日に文書を発出しているのですね。この文書の中でこう書いているのです。これは朝鮮総連の議長韓徳銖氏名で、総連各本部委員長等にあてた文書でございますが、「日本警察当局が遊技業界に導入しようとしている「パチンコ全国共通カード」制度を徹底的に阻止させることについて」という見出しになっておって、そしていろいろと具体的にこの制度が導入されたらどうなるかとか、どうやって阻止するかということ等が書いてあるが、その中で、「国会議員との活動をよく行い、日本の国会で問題化させなければならない。」こういう指令を出しておるのです。これは朝鮮総連の議長が指令を出しておるわけですね。その8月8日以降に、実は社会党議員の圧力が我が国の関係官庁に始まったと私は先般来の質疑を通じまして解釈いたしましたが、この点警察庁、どうですか。

[122]
政府委員(警察庁刑事局保安部長) 森廣英一
お答え申し上げます。

社会党に対して朝総連から依頼があったかどうかという点につきまして、私ども知る立場にはございませんけれども、朝総連が非常に熱心にプリペイドカードの導入について反対の運動をされてきたことは私どもも承知しております。また、社会党の議員の方々から私どもに対しまして、プリベイドの導入についていろいろ働きかけがあったということもまた事実でございます。

[123]
自由民主党 山崎拓
これは朝鮮総連が社会党に対して働きかけたかどうかわからぬ、こういうことでございますが、たまたまその8月8日にこういう文書が朝鮮総連の議長から発出されて、その後一連の圧力が開始されたということでありますし、朝鮮総連と社会党の関係を見ますと、9月20日から22日の間に朝鮮総連の第15回全体大会が開かれているのですよ。この点ももう既に指摘があったのですが、土井委員長は来賓として出席されてどう述べておられるかというと、朝鮮半島の緊張緩和のため闘ってきた皆さん方の活動に対して敬意を表したい、こう述べられたわけであります。これは非常におかしな話でありまして、ビルマ・ラングーン事件に北朝鮮が関与した、大韓航空機爆破事件にも関与したということは既に質疑を通じて何回も明らかにされたところでございますが、このような国際テロを通じまして朝鮮半島の緊張をつくり出しているのは北朝鮮の方でありまして、この土井委員長の発言を聞くと、あたかも緊張緩和のために闘っているのは北朝鮮で、反対が韓国だ、こういうことになるのですが、朝鮮総連の先ほども御紹介しました文書を出した韓徳銖議長は、昨年の2月11日から13日の社会党大会に逆に出席しているのですね。そのときどう言ったかというと、「南は、」韓国のことでありますが、「大韓航空機事件を共和国のしわざに見せかけて緊張を高めている」、そう述べたそうでありまして、あたかも事件が韓国のしわざであるかのように言ったわけですね。こういう応酬が社会党と朝鮮総連の間に行われているということも国民の前に改めて明らかにしておきたいと思うのです。でございますから、これは朝鮮総連の意を体して社会党がプリペイドカード導入反対の行動に出るのは、けだし当然といえば当然であるかもわからぬのです。

1988年の11月28日に続いて総連の中央経済局がまた文書を発出している。その文書は、「遊技業全国共通カード」プリペイドカードのことでございますが、「制度に反対する闘争を全機関的に強力に展開することについて」という文書を出しまして、この文書では、これをやると業界に大企業が大幅に進出するから大変だとかそういうことをいろいろ書きまして、そして事もあろうにこう書いているのです。総連中央と商工連では、日本の国会議員との事業も数回にわたり実施され、県単位でも民団と日本業者との事業を展開した。既に日本の国会議員との事業も数回にわたって実施したということをここに明記しておるのでございます。こういう文書を発出いたしまして、なお強力に実施しろ、こういうことになっておるのですが、8月8日に文書を出して、11月28日にまた出した、この背景はどういう背景ですか。これは警察庁、答えてください。

[124]
政府委員(警察庁警備局長) 城内康光
お答えいたします。

総連のその内部事情についてはよくわからない点があるわけでございますが、機関紙の朝鮮新報などを見ますと、売り上げや経営内容などが掌握されるおそれがあるとか、あるいはカード問題が業者にとつて死活問題だというような指摘がされておりますので、相当危機感を持っていたのではないかというふうな推測をいたしております。

[125]
自由民主党 山崎拓
これは、それ以前の10月4日にカード会社が既にスタートしたということで焦ったのではないかと私は解釈しておるのですが、いずれにいたしましてもこういう文書が出された。

それから、本件に関しまして社会党は、国際問題になるぞと関係当局に示唆したという記事が週刊文春等に出ていますね。社会党議員は、このカード制は国際問題だ、北を怒らせたら怖い、第十八富士山丸の船長らは帰らなくていいのかと関係当局に険しい発言をしている。こういうことが事実であるとすればこれは大変ゆゆしきことでありまして、私も第十八富士山丸事件に関しましては深い関心を持っております。特に、栗浦機関長の御家族が福岡におられまして、私も直接御家族と何回かお目にかかって、その悲痛な御心境をよく知るものでございますために、本件が国際問題になるということであれば、これは私はそのことを心配してこの質問をやめようと思ったぐらいでございますから、大変ゆゆしき問題だと思うのですが、この事実関係について警察庁、知るところを話してください。

[126]
政府委員(警察庁刑事局保安部長) 森廣英一
お答えいたします。

社会党の関係者から私どもにプリペイドカード問題についていろいろ働きかけがあったことは事実でございますが、その内容とか、どういう働きかけ方をされたかというような点につきましては、答弁を差し控えさせていただきます。

[127]
自由民主党 山崎拓
第十八富士山丸の紅粉船長、粟浦機関長の一日も早い帰還を私は心からお祈りをいたしておりまして、これは外務大臣いらっしゃいませんが、海部総理にも、本件と関係のない事件でございますので、特段の御配慮、御尽力をこの際切にお願いをしておきたいと思います。

そこで、社会党山口書記長は先ごろ、10月13日でございましたか、社会党見解を発表されましたのでございます。これによりますと、こうなっていますね。「「社会党パチンコ疑惑」なるものは存在せず、週刊文春による虚構である」そう言っております、まず初めに。それはこれから明らかになってくるところでございますが、プリペイドカード問題につきまして第一に、我が党はプリペイドカード導入について反対の立場をとったことはない、このことは2月25日付党地方行政部会の文書で政党の態度は慎重であらねばならぬとして賛否について結論を出してないことが何よりの証拠だ、そういう意味のことを書いておられるのでございます。

果たして社会党は、プリペイドカード導入について反対の立場をとったことはないのかどうか、この点は明らかにしなければならぬと思うのでありますが、もしそうであるといたしますと、5月1日の、この点も何回も指摘されておりますが、社会新報でこれは明らかに反対の意思をここに明確に表明しておって、「社会党も山口書記長はじめ関係議員が、昨年から今年にかけ6回も平沢保安課長を呼び厳重注意した」ということをここに、社会新報に記載しているのですから、そういうことからいたしまして、この山口書記長がおっしゃっている、我々は反対の立場をとったことはないというのはおかしいのじゃありませんか。この点どうです。警察庁、どうですか。

[128]
政府委員(警察庁刑事局保安部長) 森廣英一
お答えいたします。

私ども、社会党の先生方からプリペイドカードにつきまして何回にもわたりまして御質問を受けたり、説明を求められたり、あるいはまた、警察主導による導入は反対であるとか、いろいろな働きかけを受けておりまして、それらを総合して考えて、私どもは反対の御意向であるなというふうに感じておりました。

[129]
自由民主党 山崎拓
それから、山口書記長の見解によると、我が党議員が監督官庁に圧力をかけ、国会質問まで行ったとしているが、我が党議員が問題にしたのは、プリペイドカード問題は本来警察の権限外のことであるということを問題にした、こう言っているのですが、この社会新報では、監督官庁の警察庁を中心に進められているということを明確にしているのです。社会新報で監督官庁ということをはっきり言っているのですよ。

それから、先ほど言いました山口書記長が取り上げている加藤万吉部会長の2月25日の「パチンコ業界における最近の情勢について」という文書の中にも、「実質的な監督官庁である警察にも課せられてきた」、こう書いておるのですね。自分で監督官庁であるということを認めながら、10月13日には警察の権限外だとうそぶいておられるのですが、この点、警察の権限外ですか、これは。警察庁、どうです。

[130]
政府委員(警察庁刑事局保安部長) 森廣英一
お答えいたします。

警察といたしましては、警察法並びに警察庁組織令の規定に基づきまして、風営適正化法の所管官庁で、その施行の責任を有するということが明記されておりますので、監督官庁であるというふうに考えております。

[131]
自由民主党 山崎拓
さらにもう一点指摘したいのですが、山口書記長の見解によると、「「朝鮮総連からの献金」問題について」「わが党は朝鮮総連とは友好関係にあるが、党として政治資金規正法に触れるような献金は受けていない。」「法に触れる外国人等からの政治資金の寄附を受けることが許されないのは当然のことである。」と書いていますね。

では、けさの毎日新聞の記事はどうなんでしょうか。けさの毎日新聞に、これは一面トップですよ、「「総連献金」記載の政府資料」と題しまして、社会党候補へ890万円ということがここで指摘されている、一面トップ。これは毎日新聞ほどの大新聞がいいかげんなことを一面トップに記載するということは考えられない。根拠があると思うのですが、これによりますと政府資料ということになっているのです。私はたまたまこの政府資料をここに持っていますが、それによりますと、ここに書いてあるとおりでございまして、昭和61年7月6日施行、第38回衆議院議員総選挙及び第14回参議院議員選挙、そこで例えば総連A県本部は5月下旬に総連に対しまして社会党候補への支援方を要請して、この要請を承諾して現金10万円を供与したということの記載から始まって、ただいま合計して890万円という新聞記事を御紹介いたしましたが、それを事細かに書いてあるのでございます。この点について自治大臣、あるいは警察庁でもいいですが、この事実についてどうです、御存じのことを述べてください。

[132]
政府委員(警察庁刑事局長) 中門弘
お尋ねの新聞報道がなされていることは承知しておりますけれども、現時点では具体的な事実関係につきましては把握しておりませんので、今後新聞報道等も参考にしながら事実関係を見きわめました上で適切に対処してまいりたいと存じます。

[133]
自由民主党 山崎拓
時間が迫ってまいりましたので結論的なことを申し上げたいと思うのですが、この山口書記長の見解なるものは、私に言わせれば極めて問題が大きいのですね。幾つも事実と違うところがございまして、これは野党第一党の社会党でございますから、その書記長が発せられました見解が事実に相違しているということになれば、これは政治不信をいたずらに招くことになりますので、これは明らかにする必要があると思うのですよ。そこで、私は山口書記長を国会に証人としてお招きして明らかにすることが必要だと思うのですが、とりわけ、今申し上げました890万円などという金額ではなくて、報道によれば10億あるいはそれ以上のお金が朝鮮総連から某政党に流れたということが報ぜられておるということになりますれば、これは朝鮮総連が危険な団体であるということはもう既に何回もこの場で質疑が行われて明らかになってきた、きょうも私も指摘いたしましたが、そういう外国の危険な団体から政治資金規正法違反を犯して献金を受けるのみならず、そのことによって完全な内政干渉を受けているわけですから、例えば我が国のプリペイドカード導入について、社会党よ反対しろ、その命を受けた社会党が仮にその反対運動に走ったということが推量されますけれども、そういうことが事実であるとすれば、それは本当に内政上、治安上大問題なのでありまして、これを自治大臣、どう思われますか。

[134]
自治大臣・国家公安委員長 渡部恒三
お答えいたします。

政治資金規正法第22条の5には、「何人も、外国人、外国法人又はその主たる構成員が外国人若しくは外国法人である団体その他の組織から、政治活動に関する寄附を受けてはならない。」と規定されております。この趣旨は、我が国の政治や選挙が外国の勢力によって影響を受けることは国家、民族のためにゆゆしきことであるので、これを未然に防止しようとするものであります。警察当局においても事態を見きわめつつ厳正に対処するものと存じております。

[135]
自由民主党 山崎拓
これで終わりますが、先ほど来申し上げましたように、社会党山口書記長の見解は私は問題点が多いと思いますので、政治に対する信頼感を確保するという意味におきまして、委員長におきまして、国会の場で問題を詰められるように、場合によれば私が申し上げましたことも含めまして御配慮いただくようにお願いしたいと思います。





[139]
日本社会党(社会民主党) 山花貞夫
週刊誌の告発スクープなる反社会党キャンペーンに端を発したパチンコ疑惑問題につきましては、既にマスコミの内部におきましても、社会党についての常軌を逸したこっけいとも言える歪曲報道として断罪されてもいます。しかし、この間大変長期に継続的なキャンペーンがあったことから、なおこの問題に対する国民の関心もあり、かつ、このことにつきましての最近の国会での議論もございます。

まず、冒頭明白にしておきたいと思いますことは、こうしたキャンペーンは、夏の参議院選挙で躍進した我が党に誹謗中傷を加え、イメージダウンを図るとともに、それを通じて最大の政治の課題である消費税の廃止問題から国民の目をそらそうとする党利党略にある、このことについてまず冒頭明らかにしておきたいと思います。

しかし、こうしたパチンコ業界の政治献金の問題として政界全体との金のかかわりについて国民の関心が寄せられているとするならば、当然のことながらこの疑惑の問題については徹底的に解明されなければなりません。この場合の基本的な姿勢は、党利党略を離れて、政治倫理綱領にあるように、「みずから真摯な態度をもって疑惑を解明」するという姿勢でなければならないと思うのであります。私たちはそうした立場から我が党の調査を既に発表し、野党もすべてそうした立場で臨んでいます。しかしながら、今日に至るまで自民党は閣僚についての部分的な発表をしたのみであって、全体のこの問題はついては全くほおかむりをしてきょうの集中審議に臨んでいます。しかも、党利党略によって、うわさとか新聞、かつ、ただいま聞いておりますと日時も出所も特定されていないような文書、野党のだれもが見ていない、国民の目にさらされていない文書をもとにして質問をされる、こうしたことがあったとするならば、国民の皆さんは、せっかくの集中審議の機会にその期待した真相の解明とは全く裏腹な相変わらずの国会のやりとりであると失望されることに違いないと思います。



[141]
日本社会党(社会民主党) 山花貞夫
さてそこで、きょう午前中の質疑を聞いておりますと、保安部長の御発言、業界代表の発言ではないかというやじも飛びましたけれども、私も警察の保安部長の発言としてはやはりかなり思い切った、立場をはっきりさせての発言であると思いました。問題として日本社会党が業界と癒着しているということをおっしゃる。しかし、構造的に見てそういうことはあり得ないのであります。

きょうもまた後に時間があったら触れたいと思いますけれども、脱税ワーストワンである、朝鮮総連の問題、そして共和国との問題等々について、一方的に業界のその面だけを強調されました。しかし、それならば、その業界の顧問として仕事をされてきたのは一体だれですか。すべて自民党の7人の顧問がこの業界の指導に当たってきたではありませんか。とするならば、脱税した金が自民党の党員づくりに使われた。61年選挙には5万人、そして今回の選挙では3万5000人、脱税された金で自民党の党の資金ができ上がっていることになるのじゃないですか。そういう疑問を国民の皆さんは持つに違いないと思う。

そして、きょうの発言の中で最大の問題点は警察庁のあり方であります。プリペイド力ード問題がパチンコ疑惑の中心にあるということについては、私たちもそう思います。そのことをめぐっての警察庁の立場につきましてこの一両年のさまざまな資料について検討してまいりました。一言で言って、風営法の改正以来警察の立場、根本的な方針というものが大転換をしたということに気がつきました。例えばプリペイドカード導入問題につきまして、以下私が引用しますのはすべて新聞報道等によって確認した中身でありますけれども、こういうおっしゃり方をしている。

プリペイドカードの導入について、私どもはどんな敵があっても、いかなる抵抗があっても、これを乗り越えて進む、全遊協は一切相手にしない、今回のプリペイドカード導入を決めたときにいろいろ反響があった、最も強い反響はどこかといえば、警察の内部である、プリペイドカードの導入を業界の方々は業界にとって革命だと言われるけれども、警察にとってはもっと大きな革命である、こうおっしゃっています。警察の中に革命を起こして、今の10兆円産業のパチンコ業界を20兆にするという意気込み、こうした意気込みの中でこの問題に警察庁が取り組んでこられた。

そうして、先ほどもお話の中で射幸心の問題について議論がありました。10兆円の産業を20兆にするためには大変なそれだけの努力が必要です。と同時に条件も必要でしょう。射幸心をあおるような手だてを講じなければこうした業界の育成ということはあり得ないと思います。警察庁の皆さんは事あるごとに、こうして警察が積極的にカードを導入するのは業界を10兆から15兆、20兆にするのだという、こういう説明をしているわけです。そうなってくると、射幸心をあおるわけでありますから、パチンコで身を持ち崩す人も出るかもしれない。こういう人に対して、それは個人の責任だと思います、日本というのは個人の責任の考え方が薄い、何かあるとそういうものを許している行政の責任である、要するにどんなところでも例外がある、例外に合わせて全体を見てはだめである、パチンコで身をつぶす人が何人か出ると、パチンコが悪い、ギャンブル性がいけないという批判が出るけれども、マスコミもそういうことをしてはいけない、そのとき行政は強い姿勢で臨めばよい、こう言いまして、最近の発言を見てみますと、競輪、競馬などを例に挙げまして、何らかの方法で社会還元という条件さえあれば、ある程度の射幸性を認めてもよいのではないか、こういう形で、射幸性を認めた中で10兆の産業を20兆の産業としようとしている。通産省が一つの産業を育成するということはあるでしょう。しかし、警察が産業を育成する、これは警察法のどこを読んだら出てくるんでしょうか。

こういうような方針の大転換、風営法以来の警察の変わり方について、これは警察庁の長官に伺いたい。このようなことにまで及ぶような警察の権限、警察法の改正はあったんですか。どこにそういう権限を示すものがあるんでしょうか。この点について警察庁長官から、警察に革命を起こしているという、こうした今日の方針転換の現状について説明していただきたいと思います。

[142]
政府委員(警察庁長官) 金澤昭雄
お答えをいたします。

まず、革命という点についてでございますが、これは保安課長からいろいろと聞きましたところ、この革命という意味は、この業界の完全な健全化に第一歩を踏み出す、こういう第一歩を踏み出すということで革命というような表現を使った、こういうことでございます。

それから、警察法上我々の警察の権限が変わったかということでございますが、業界の健全な発展を目指すというのは、先ほども保安部長が答弁をいたしましたように、これは私ども警察の責務の一つでございます。育成ということではなくて、健全な発展ということは私どもの責務の一つというふうに考えております。したがいまして、前の法律、旧風俗営業取締法のときと現在の風営適正化法の時代で特に警察の権限が変わったということはございません。ただしかし、新しい法律の「目的」のところに書いてございますように、業界の健全な発展ということがうたってございます。したがって、行政的な指導という意味ではこれは大いに指導が行える、こういうことで、変わったといえばそういう点の力の入れ方の点だと思います。





平成01年11月01日 衆議院 予算委員会
[137]
民社党 北橋健治
質疑時間が参りましたけれども、最後に一点だけ総理に聞かしていただきたいと思います。

それは、このたびのパチンコ疑惑の一連の国会質疑によりまして、北朝鮮、朝鮮民主主義人民共和国と我が国との友好関係においてひびが入るのではないかという点であります。外交問題は外交問題、国内問題は国内問題として峻別をしてかからねばならぬことは当然でありますけれども、それにしましても両国間には多くの懸案事項がたくさんあります。そしてまた、総理もこれまで北朝鮮との関係改善に努力をされる旨があります。その意味で、改めて、この質問を終わるに当たりまして、我々は国内の問題においては疑惑の解明のために全力を尽くすけれども、と同時に、日朝の関係改善のためには今まで以上に全力を尽くして取り組んでいくという決意をお伺いいたしまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。



[238]
自由民主党 野呂昭彦
昨日、社会党の山花質問を聞いておりますと、第一にこのパチンコ疑惑というものの問題の所在がいかにも政治献金にだけあるような形に質問を行っているような感じがいたします。これは疑惑の焦点をずらすような私は意図的な傾向が感じられるのであります。我々が問題にしておりますのは、まず第一に、政治献金とそれを受けた政治家の事実として行われた便宜供与との因果関係でありまして、これは社会党に特に申しておかなければなりません。





平成01年11月16日 衆議院 決算委員会
[186]
日本共産党 矢島恒夫
いわゆるパチンコ疑惑というのは、20兆円産業ともあるいは30兆円産業とも言われるパチンコ業界の親睦団体であります全国遊技業組合連合会、略しますと全遊連と呼んでおりますが、この団体が、84年から86年にかけて100人以上の国会議員やあるいは政治団体などに合計1億5000万円に近い献金を行ったということ、しかも、献金が集中した時期というのが、警察官の立入調査権を拡大するところの風俗営業法の改正の時期、あるいはプリペイドカードの導入をめぐってパチンコ業界が猛烈な反対運動を展開していた時期と重なるわけであります。全遊連の献金の趣旨というものがこれに絡んだ政治工作にあるのではないか、こういう疑いも持たれているものであります。





平成01年11月17日 参議院 決算委員会
[222]
日本共産党 諫山博
いわゆるパチンコ疑惑というのは、自民党から国会に持ち出されました。衆議院では集中審議が行われましたけれども、参議院では集中審議は行われませんでした。国会での審議の内容について国民は非常に大きな不満を持っています。こういうことでうやむやにされてはいかぬというのが世論だと思います。

私はこの問題をいろいろ調査しましたけれども、パチンコ業界と政治家の癒着というのは、公表されているものに比べて非常に広範だというのが結論です。例えば、自民党、社会党、公明党、民社党、社民連、各党がパチンコ疑惑の調査結果を発表しました。私は、それを踏まえながら各都道府県公報の選挙運動に関する収支報告書を詳細に調査しました。過去10年間だけ調べてみましても、今お配りのとおりの政治献金が発見されました。整理しますと、パチンコ業界から献金を受けた政治家は、各政党が公表した以外、全遊連リストに載っている以外、一般のマスコミにも報道されていないもの、それが自民党37名、新自由クラブ3名、民社党4名、無所属1名、合計45名です。繰り返しますけれども、これは県公報には載っておりますけれども、世間一般では知られていない内容です。

この一部について私は自治省に調査を求めました。例えば、昭和54年の衆議院選挙のときに中曽根康弘氏が、群馬県遊技業協同組合から100万円を受け取った、こういう記載が群馬県報に書いてありますか調査してもらったら、書いてあるという回答が得られました。昭和61年の衆議院選挙のときに宇野宗佑氏が、滋賀県遊技業協同組合から50万円の金を受け取ったという記載が滋賀県公報に出ていますかと聞きましたら、間違いないという回答です。昭和61年の参議院選挙時に中西一郎氏が、兵庫県遊技業組合連合会から100万円の献金を受けた、こういう記載が兵庫県公報にありますかと聞いたところが、間違いありません、こういう回答を得ましたけれども、自治省間違いありませんか。

[223]
政府委員(自治省行政局選挙部長) 浅野大三郎
間違いございません。

[224]
日本共産党 諫山博
私は、もう一々繰り返すことはないと思いますけれども、こういうふうに県公報に明らかに名前が出ている人たちが、今申し上げましたように45名。これは党の発表にも出ていないし、世間一般からはそういうことはなかったと思われているのではなかろうかと思うんです。この新しい献金リストを見て、私は2つのことを指摘します。

第一は、パチンコ業界と政治家の癒着が非常に長期間で広範にわたっていたということです。もう一つは、自民党とか民社党は党の調査の結果を発表しましたけれども、これはまあでたらめと言っていいのではなかろうか。党としての自浄能力はあるのかということを私は疑いました。

そこで、外国人団体からの政治献金、これも調査しましたけれども、既に明らかにされている以外で、自民党5名、社会党1名、民社党2名、合計8名です。この点についても、3名の人について自治省に調査を要求いたしました。その調査の結果は、電話では回答いただけましたけれども、例えば昭和54年の衆議院選挙のときに天野公義氏が、在日本大韓民国居留民団東京荒川支部から3万円を受け取った。同じく天野公義氏が荒川韓国人商工会から5万円の献金を受けた。こういうことが東京都公報に記載されています。昭和55年の参議院選挙のときに名尾良孝氏が、在日本韓国居留民団埼玉地方本部から30万円の献金を受けた旨が埼玉県公報に記載されています。昭和58年の参議院選挙のときに小林優氏が、在日朝鮮人福井県総連合会から20万円の献金を受けたということが福井県公報に書かれています。

この事実は間違いありませんか。自治省どうですか。

[225]
政府委員(自治省行政局選挙部長) 浅野大三郎
ただいまお示しになりました点について関係都県に照会いたしましたところ、そういう記載があるという回答をいただいております。

[226]
日本共産党 諫山博
パチンコ疑惑では、外国人団体から政治献金を受けた政治家、これが政治家の名前が特定された。献金をした外国人団体の名前も特定して明らかにされた。そして今まで明らかになっただけでも、さらにきょうの調査を加えますと、朝鮮総連等から社会党4名、自民党1名、民団などから自民党8名、民社党6名、新自由クラブ1名、合計20名です。外国人団体から政治献金を受けてはならないということは我々政治家の常識です。外国人団体から政治献金を受け取れば我が国の主権、政治の自主性が侵される、こういう立場で政治資金規正法でもこのことを禁止しています。

ところが、これは県の公報にちゃんと記載されているわけです。県の公報に記載されて、これほど事実が明確になっているのに、刑事捜査がされたのかどうかさっぱりわかりません。この点について警察庁の方から説明してください。

[227]
政府委員(警察庁刑事局長) 中門弘
警察としては、御指摘のような事実を掌握していなかったものというふうに承知しております。

[228]
日本共産党 諫山博
個人の手帳に記載されているとかそういうものだったら事実を掌握してないで通用すると思いますけれども、県公報ですよ。その点では、この問題を本気に取り上げる姿勢が警察にないのではないかと思います。





平成01年11月30日 参議院 建設委員会
[187]
日本共産党 上田耕一郎
幾つか聞きたいのだけれども、まずパチンコ業というのは単なる娯楽とかレジャーじゃないんです。風俗営業なんですよ。警察がここは監督しているんですね。この間、パチンコ疑惑で私も大分調べたので詳しくなった。風俗営業なんですよ。僕は警察庁の人によく聞いたのだが、まず暴力団がかかわるんですよ、景品の交換で。それで、どういうことになっているかというと、景品として出てくるのは頭をかくくしだとかレコード針、ボールペン、これが金券のかわりに使われるんですって。だから、100円か200円のボールペンが景品で出るのだが、これだと1000円ぐらいの計算で渡されて、それを持っていって約6割、600円もらう。これは法令違反なんですよ。それが全国で行われていて、それで暴力団がかかわっていて、今度プリペイドカード問題が出てきたのは暴力団のかかわりを打ち切るためなんだというのが警察庁の、ある部分は本当かもしれませんけれども、説明なんですよ。こういう風俗営業を何でこの文化の香り高い、子供まで楽しめる、そういうレジャー施設に入れられますか。



前略と後略は省略、旧字は新字に変換、誤字・脱字は修正、適宜改行、
漢数字は一部アラビア数字に変換、一部括弧と句点を入れ替えています。
基本的に抜粋して掲載していますので、全文は元サイトでご確認ください。