在日 ~ 徴兵忌避と密入国

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昭和24年09月13日 参議院 運輸委員会
[004]
説明員(運輸事務官(海上保安庁長官)) 大久保武雄
海上保安庁が昨年の5月1日創立されましてから本年の4月末日まで、即ち満1年間におきまする密航、密輸の検挙件数は194件でございます。逮捕人員は2549名に相成つております。

そこでこの密航、密輸の逮捕状況は最近になりましてから、又急激に増加をしております状況でございます。即ち最近私共の方に入りました情報といたしまして、南鮮における徴兵忌避の目的で約1000人の鮮人が日本に向け密航しておる。尚近日中に約1万人の鮮人が密航の疑があるという情報を8月の末に得た次第であります。





昭和24年09月13日 参議院 地方行政委員会
[022]
説明員(運輸事務官(海上保安庁長官)) 大久保武雄
即ち集団密航の点について記載しておりますように、朝鮮の治安問題からいたしまして、最近徴兵忌避或いは将来の治安に関する見通しより、日本に密航して参りますのが非常に増加しておる情報を受けておる次第であります。これに基きまして非常警戒をいたしておりますと、僅か2週間程度で200~300人の検挙があるといつたような状況に相成つておる次第であります。この外に相当の集団密航があるようでありますが、遺憾ながら海上保安庁の船舶がまだ十分整備しておりません点と、保安庁船舶の装備が完全でないために、これを海上において逃走せしめておる事例が相当多きに上つておりますことは、甚だ残念であると申さなければならないと思います。

尚又最近の特別の傾向といたしましては、密航密輸の犯人が、むしろ積極的に海上保安庁の船隊に対しまして抵抗するという傾向が多くなつて参つております。即ち大砲装備が密輸船等についてございまするので、この船は国警等と打合せまして、かねて手配中の船でございましたが、海上保安庁の警戒網を突破いたしまして、神戸の西灘に砂糖の揚陸をいたしておつた次第であります。

この船舶は主砲といたしまして捕鯨砲の40ミリ1門、予備砲といたしまして36ミリ1門、即ち合計2門の大砲を装備いたしておりました。且つ装填用の実弾2発を所有しておることが判明した次第でございます。





昭和26年03月27日 衆議院 行政監察特別委員会
[091]
証人(出入国管理庁第一部長) 田中三男
一応収容所内の全般の空気をまず御説明いたしたいのでありますが、送還船が出ることが間近に迫つて参りますると、たいていの強制送還者は帰りたくない者が多いのであります。

特に朝鮮の動乱以後、朝鮮に送還されました際に、向うで徴兵されるとか、あるいは悪質な、ことに徴兵忌避のために日本に行つた、すなわち韓国を密出国したという者については、かなり向うでも取調べなり、処罰があるといううわさでありまするが、そういうことも手伝いまして、送還船が出る前には、収容者は送還をいやがりまして、非常に収容所内の室気が険悪になるのであります。



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