河野談話は強制連行を認めていない。強制連行を認めたのは、河野談話ではなく河野会見。全ての責任は河野洋平官房長官にある

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平成26年10月03日 衆議院 予算委員会
[170]
民主党(民進党) 辻元清美
さて、そこで、河野談話についてお聞きをいたします。

河野談話について、安倍政権も河野談話を継承するという答弁をされ、そして、検討チームの報告書をお出しになっておりますね。これについて質問したいんですが、総理が今ちょっと行かれたので、総理のお帰りを待ちたいと思います。総理の発言も関係をしてきますので、ちょっとだけとめてもらえますかね。

[171]
委員長 大島理森
菅官房長官にまずは答えてもらいましょう、一体ですから。

[172]
民主党(民進党) 辻元清美
それでは、もう一回総理に問いますので、菅さんにお願いをしたいと思います。

この報告書で、吉田清治氏の証言が河野談話の内容に影響を及ぼしたことはないという理解でいいですか。

[173]
国務大臣(内閣官房長官) 菅義偉
河野談話の作成過程の中で、政府は吉田清治氏から聞き取り調査は行っております。

その結果、同氏の証言は、客観的事実と照らしてつじつまが合わなかった、他の証言者の証言と比較して信用性が低かったところから河野談話に反映されなかった、こういうことであります。

[174]
民主党(民進党) 辻元清美
総理がお帰りになりました。

どうぞおかけください。今、河野談話ですので、総理がいないとちょっと始まらないので。

今、御答弁で、総理、総理が検討会を依頼して、その中で、この吉田清治氏の証言が河野談話の内容に影響を及ぼしたことはないという理解でよいかという質問に対しまして、菅官房長官から、それはないという御答弁でしたが、総理も同じ認識ですね。

[175]
内閣総理大臣 安倍晋三
この検討会は、官房長官のもとで官房長官が責任を持って開いたものでありまして、今、官房長官が答弁したとおりだと思います。

[176]
民主党(民進党) 辻元清美
次に、この河野談話は、今問題に、いろいろ言われております16人の元慰安婦の聞き取り調査が根拠になったのではなく、官房長官、よく聞いてくださいね、関係省庁における関連文書、米国国立公文書館の文書や、それから軍関係者や慰安所経営者等各方面への聞き取り調査、それから証言集の分析などで出た結果であって、16人の元慰安婦の聞き取りが根拠になったものではないということでよろしいですか。

[177]
国務大臣(内閣官房長官) 菅義偉
この16人の元慰安婦からの聞き取り調査でありますけれども、6月20日に公表した政府の河野談話作成過程等に関する検討チーム、その報告書のとおり、河野談話の原案は、元慰安婦からの聞き取り調査の終了前に、それまでに日本政府が行った関連文書の調査結果等に基づいて既に作成をされていた、そのように確認をされております。

[178]
民主党(民進党) 辻元清美
総理も同じ認識で、16人の元慰安婦の方の証言が河野談話に影響を及ぼしていないということでよろしいですね。

[179]
内閣総理大臣 安倍晋三
通常であれば、16人の聞き取り調査をしたのだから、河野談話をつくるために聞き取り調査をしたとみんな思っていたわけでありますが、調査をした結果、もう既にそれは日韓で協議をしていたということでありまして、16人の証言を入れる前に、証言をする前に決まっていたということであったということでございます。

[180]
民主党(民進党) 辻元清美
次に、この作成過程で事前の韓国側とのやりとりがあったことで河野談話の内容がゆがめられたことはないという理解で、官房長官、いいですか。

[181]
国務大臣(内閣官房長官) 菅義偉
6月20日に公表した政府の河野談話作成過程等に関する検討チームの報告書に明らかにされているとおり、当時の日韓両国政府は、河野談話を発表することによってこの問題に一つの区切りをつけて未来志向の関係を築くことを目指し、綿密な調整、意見交換を行ってきたということ、そして、政府は、一連の調査を通じて得られたと言われるいわゆる強制連行は確認できないという認識に立って、それまでに行った調査を踏まえた事実関係をゆがめることのない範囲で、韓国政府の意向、要望について、受けられるものは受け入れ、受けられないものは拒否する姿勢で、河野談話の文言をめぐる韓国側との調整に臨んできたということです。

[182]
民主党(民進党) 辻元清美
官房長官、ということは、やりとりは、直接、河野談話の内容を、日本政府の意向をゆがめたわけではないということですね。

[183]
国務大臣(内閣官房長官) 菅義偉
この検討チームの報告から推測しますと、日韓両国において、まさにこの問題に一区切りをつけて未来志向の関係を築こうという中のぎりぎりのすり合わせの結果の文書であったというふうに考えられると思います。

[184]
民主党(民進党) 辻元清美
もう一問お聞きします。下村文科大臣に。

教科書の問題ですね。河野談話は、検定基準上の、閣議決定等により示された政府の統一見解に該当するんでしょうか。

[185]
文部科学大臣 下村博文
これは、辻元委員の質問主意書、答弁、河野官房長官談話を受け継いでいる旨を閣議決定しているということでございまして、この談話の内容は、検定基準上の、閣議決定等により示された政府の統一的見解に該当するということであります。

[186]
民主党(民進党) 辻元清美
総理にお伺いしたいんですが、総理はかつて、この問題、何回も国会で発言をされ、また、決算委員会でこういう発言をされているんですね。この河野談話について、ほとんどの根拠は、この吉田清治なる人物の本あるいは証言によっているということであります、その根拠が既に崩れているにもかかわらず、官房長官談話は生き、そしてさらに教科書に載ってしまった、これは大きな問題である。

要するに、河野談話は吉田清治なる人の証言が根拠で既に崩れているけれども、官房長官談話は生きているというのは問題だというように御指摘をなさっているんです。

今回、総理みずからが調査された結果、この吉田清治なる人物の証言、河野談話に何か影響を及ぼしているわけではないということですから、この当時の総理の御認識は間違いというか、違っていたということになりますが、いかがでしょうか。

[187]
内閣総理大臣 安倍晋三
まず、そのときの発言は、私、まだ、質問通告がございませんから、わからないのでお答えをしようがございませんが、しかし、河野談話について、そこでは、強制性については事実上認めていない、こちら側は。韓国側とのやりとりの中でそうなのでありますが。

河野洋平官房長官がいわば記者会見の中でそれを事実上お認めになったということであります。

そして、それとの、河野官房長官談話と河野官房長官のお答えが合わさって、いわばイメージがつくり上げられているのは事実であります。

それに吉田証言がどのようにかかわっていたかはわかりませんが……(辻元委員「わかりませんというのは、何で」と呼ぶ)

いや、吉田証言が河野官房長官のお答えにどのようにかかわっていたかはわかりませんが、吉田証言自体が強制連行の大きな根拠になっていたのは事実ではないか、このように思うわけであります。

[188]
民主党(民進党) 辻元清美
もう一回申し上げますけれども、正式の国会の場で総理は、この吉田証言を根拠にしている河野談話、これは問題だという趣旨の発言をされているので、総理みずからが吉田証言と河野談話は関係ないと、かなり活発に総理はあちこちで発言されているわけですよ。ですから、関係がなかったということは、これをお取り消しになる、この認識は違っていたということかと聞いているんですよ。

これは、韓国も含めて、世界じゅう見ていますよ。はっきりおっしゃった方がいいですよ、今まで間違っていたということを。河野談話は吉田証言が根拠で崩れていると既に国会でおっしゃっているわけですよ。いかがでしょうか。

私は、朝日新聞の間違いは認めろとおっしゃった、それは正しいと思います。そうすると、御自分の認識違い、今回の検証で明らかになったじゃないですか。認められたらどうですか。

[189]
内閣総理大臣 安倍晋三
私、まだその発言自体を精査はしておりません。

いずれにせよ、今申し上げましたように、河野談話、プラス、いわばそのときの長官の記者会見における発言により、強制連行というイメージが世界に流布されたわけであります。

つまり、その中において、河野談話自体が、事実上、いわば強制連行を認めたものとして認識されているのは事実でありますが、文書自体はそうではない。

いわば、河野談話それ自体について今回検証したわけでありますし、我々は、河野談話については継承するというふうに申し上げているところでございます。

[190]
民主党(民進党) 辻元清美
先ほど高市さんにもお聞きしましたけれども、今まで総理がおっしゃってきたことと、今回検証したことで、みずから総理がおっしゃってきたことを否定されたんです、あの検証というのは。よく認識された方がいいと思います。

ですから、私はお認めになっているからこれ以上言いませんけれども、その点ははっきりと国際的に示された方がいいですよ。いろいろなことをおっしゃる、それが日中、日韓のとげになっていますから。



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