朝鮮人部落 密造部落 1/2 ~ 密造酒

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昭和24年03月24日 参議院 大蔵委員会
[005]
民主党(自由民主党) 油井賢太郎
次に、灘方面の酒の問題であります。酒の税金というものは御承知の通り非常に高いのであります。一例を挙げますれば、大阪と神戸の中間にあります尼ケ崎近辺におきましては、一部落が全部密造の根拠になつておつた。而も2000数百人の朝鮮人或いは日本人が協同して大掛かりの密造をやつておるという所もあつて、これを押えようと思つて参りましても、とても100人や200人では、あべこべに取巻かれて散散な目に遭うというような状態になつておるのだそうです。

これに対しましては先般トラックを30台、警察官等が約1300人くらいの大勢を以て一挙に殲滅したというような話もあつたのでありますが、何しろ酒の密造につきましては実に大掛かりでありまして、主食の問題から申しましても、この点は酒税をもつと安くして、而ももつと殖やして行つた方が却つて税金を余計取れて、密造というようなことをなくする原因になりはしないかという意見が相当に強かつたのであります。





昭和24年03月31日 参議院 地方行政委員会
[001]
委員長 岡本愛祐
これより委員会を開会いたします。今日の議題は、派遣議員の報告でございます。選挙関係は報告が済みましたが、まだ兵庫、山口、島根各県に治安状況の現地視察に参りました、その報告が残つておりますから、今日はそれを御報告いたします。

私と黒川議員と島村議員3人が今申しました3県下並びに門司の海上保安本部に治安関係の調査に行くことになりました。島村議員は止むを得ない事情で遂に行を共にすることができなくなられまして欠席されました。

我我2人は2月20日から3月1日まで10日間に亘りまして、右3県下に出張いたしまして、兵庫県庁、広島市、山口県庁、宇部市、下関市、門司海上保安本部、萩市、島根県の益田町、島根県庁の9ケ所におきまして、各県、市、町の首脳者、公安委員、国家地方及び自治体両警察の首脳者、海上保安庁の関係官、経済調査長の関係官、その他の関係者から親しく現地の治安状況、殊に姫路事件とか、これは昭和23年12月10日姫路市における朝鮮人連盟対朝鮮民団の衝突事件であります。それから宇部事件、これは12月9日宇部市における朝鮮人群衆と警察官との衝突事件であります。益田事件、これは12月25日島根県益田町高津部落の朝鮮人に対する密貿易の隠匿物資の摘発に端を発して、翌26日朝鮮人の群衆が自治体警察署に押寄せて参りまして、朝鮮人と警察側双方に負傷者を出した事件であります。これを中心としまして各地における酒類の密造、密貿易、密入国及びその取締状況等の朝鮮人関係の治安問題について、詳細に事情を調査した次第であります。

この内容の詳細につきましては、同行して呉れられた福永専門員がノートを作つておられます。それから関係者から説明資料の提出を受けました。これは委員部の方にございますから、それを御覧願うことにいたします。ここでは専ら以上の結果を総合して得ました結論的な部分を述べまして、今回の現地調査の報告といたします。これに対して国家公安委員長、国家地方警察本部長官、海上保安庁の長官に御出席を願いまして、いろいろ御意見を承わり、又質問も申上げたい、こういうふうに思つております。

先ず調査各地における朝鮮人問題の概観を申上げますと、阪神地方においては、従来から労働問題、思想問題に関連しまして、同地に在留しております朝鮮人がその影響を非常に受けておるのであります。戦後朝鮮人の多くは生業を離れまして、失業状態に陥つておる人が非常に多いのであります。闇ブローカーとか、酒類の密造等の経済違反行為の温床をなしておるのであります。

大阪、兵庫附近におきます朝鮮人の数は非常に多い。そこにこの経済事犯行為が非常にありますし、又いわゆる闇商人が列車を乗り廻つておるというような状況であります。殊に最近はこの種の違反行為が集団的、計画的且つ悪質なものとなる傾向が強くありまして、従つてその取締の対策もこれに相応して強力且つ充実せるものが必要となつて参りました。

今年の2月の9日に、尼崎市の自治体警察が中心となりまして、検察庁、国家地方警察、税務当局等がこれに協力して、一体となつて尼崎市の守部部落における朝鮮人の集団的な酒類の密造に対する一斉の取締を行いまして114名を検挙し、酒類133石、その他証拠品を多数押収しましたが、これは従来こういう取締をしようとしますと、どういうわけですか事前に漏れまして、うまく行かなかつたのであります。いろいろ神戸の検察庁、警察の方で苦慮いたしまして、これは当日いよいよ検挙に着手いたします直前まで税務署、それから警察署の方に知らせなかつたのであります。幹部だけは知つておりました。これを甲子園ですかの野球場において新刑事訴訟法の講習会を開くという名義で招集しまして、そうして皆集まつて来たところで、実はこれから尼崎市のこういうところに検挙に行くんだということで行つたんです。それで非常にうまく行きまして、この新刑事訴訟法下に立派な検挙ができて、大した事故もなかつたのであります。こういう例がございます。

かような環境の下におきまして、兵庫県の日本海方面の但馬方面、それから瀬戸内海方面からの密輸入、それから密輸出もございます。それから密航が増加する兆候がありまして、これが阪神地方を脅かしておるのであります。殊に最近においては、ピストルなんかの危険物も密輸入せられる虞れがあります。厳重な警戒を要する状態であります。丁度行つておりますときに大きな生ゴムの密輸入がありました。これも苦心の結果検挙いたしております。

更に注目すべきことは南朝鮮、大韓民国側と北鮮の朝鮮人民共和国の方の対立状態や、それから中共の進出等の大陸の情勢が政治的に、又思想的に相当敏感に在留鮮人に反映しております。それでどうもトラブルを起し易い。日本の警察がその過中に捲き込まれるというようなことになつて来ておるのであります。昨年の12月姫路市に起つたいわゆる姫路事件でありますが、これは同地方における朝鮮人連盟、つまり北鮮側と南鮮の系統の側に分属している朝鮮人が集団的に抗争しまして1名が殺されたという事態が起りました。双方に数名の負傷者を出しております。これが表面に現われた一例であります。

山口県におきましては、終戦当時約15万5000人の朝鮮人が在住しております。現在は登録令によつて登録しております数が3万人ぐらいに減つております。併し密航によりまして潜入した者が随分おるのであります。この数ははつきり分りませんけれども、下関だけでも登録した者の1万5000人に対しまして、いわゆる潜りの朝鮮人の幽霊人口と申しますか、それが1万もあるのであります。これを見ても、大体どういう状況になつているかということがお分りであろうと思います。

下関、宇部、小野田等の各市におきましては、これらの朝鮮人が密集部落を成しておりまして、特殊の生活環境を作つておるのであります。

宇部、小野田は炭鉱地帯でありまして、朝鮮人のグループが過激であるかとこういうふうに思つたのですが、却つてそうでなくて、割合これは温順なのであります。ところが、下関の方は、これは非常に過激な分子が多い、こういうことになつております。

山口県地方の朝鮮人についても、その生活環境の基礎條件においては、阪神地方と共通のものが見られます。而も本県は、本州の門戸でありまして、玄海灘を隔てて朝鮮と一衣帯水の近接距離にあります。連絡が極めて朝鮮と容易である関係で、鮮内事情を最も直接的に且つ敏感に感受いたしておりまして、影響せられるものが非常に多いのであります。特に最近におきましては、北鮮側の動きが南鮮側を圧迫しておりまして、南鮮側にも北鮮側の勢力が著しく浸潤しております。非常に緊迫した朝鮮の状況を直ちに山口県に反映しておりまして、朝鮮人が政治的、思想的にいよいよ尖鋭化をして、北鮮系と見られる朝鮮人連盟の殆んど一色に山口県では団結いたしております。而も、日本共産党の地元組織とも連繋が段々できて来ているように見受けられるのでありまして、税金の闘争等各種の闘争を活溌に行なつているのであります。殊に注目すべきことは、日本警察に対する反感と抗争意識が底に下関方面において熾烈旺盛の点があるように見受けられます。この点は非常に警戒を要すべきだと見て参りました。

昨年12月9日宇部市にいわゆる朝鮮人生活防衞闘争人民大会というものが開かれましたが、その会場に潜入した北鮮の国旗掲揚事件の責任者、これは下関市で北鮮の国旗を掲揚した。北鮮の国旗は連合軍の方から禁止をされているのでありますが、それにも拘わらず、下関市で北鮮の国旗を掲揚したその責任者の崔民煥というのがおります。これは朝連側の山口県の本部の委員長であります。これは、下関市に住んでいるのでありますが、それが宇部の人民大会の会場に逃げて来たのであります。逮捕に向つた警察官と会場の朝鮮人の群衆2000人との間に猛烈な乱闘が起りまして、遂に警察則、朝鮮人側双方にそれぞれ数10名の負傷者を出すほどでありました。朝鮮人群衆――この中には多数の婦女子も交つておりますが、その抵抗が非常に強く、遂に崔民煥の逮捕目的を達し得なかつた。逃げてしまつたというのがこれが宇部事件の概件であります。宇部事件は山口県地方における朝鮮人問題の様相と特殊性を最も具体的に表現した典型的事件であります。殊に山口県において朝鮮人の群衆が岩国に潜在しております。イギリス濠洲軍の憲兵に対してすら猛烈な抵抗を示しております。負傷にも屈せず反撃の態度に出ております。これは朝鮮人問題の再発を考えるに当つて見逃がすことができない重大なる事柄だと思います。宇部市におります朝鮮人は前に申しましたように割合に穏健なのでありますが、下関の方から応援に来た、又各地からそこへ集まつて来た連中が非常に過激だということになつております。

島根県における朝鮮人の数は約6400名でありますが、日本海を隔てて朝鮮と対しております。潮流の関係で釜山方面から島根、鳥取方面に来易いという状況になつております。それで本県の地理的な関係上、朝鮮人関係の密貿易、密入国事件も少くないのであります。昨年中の統計の数字を挙げておりますが、それを見ますと、密貿易の中で違反対象物の価額が1720万円に上り、検挙した密貿易の件数が6件、密入国者の逮捕数が18回で581名、押収した船が6隻ということになつております。その外に甚だ長い沿岸線を持つておりますので、監視の目を逃がれて潜入しておる者も相当あるだろうと想像することができるのであります。島根県下の朝鮮人は在留期間の長い者が比較的多いのでございます。全般的にいつて比較的温順である。併し益田町の高津部落の朝鮮人約11戸、70名おりましたが、それが集団居住しておりまして、定まつた生業を有する者が少く、密造酒、闇物資の仲介等によつて大体生活を立てておるという状態であります。これは他の地方におけると殆んど同じ型に属しておりまして、ただそのスケールが小さいのであります。この地方における朝鮮人の間には朝連を通じまして十分の連絡がありまして、必要に応じては、益田町事件の例に見られるように、附近の朝鮮人を直ぐ急速に糾合しまして、そうして警察署に押寄せて行く。そうして益田町事件の場合は200名を動員しまして警官隊との間の乱闘が起きまして、20余名の負傷者が生ずるに至つたのであります。穏健だといつてもその附近から直ぐ応援に参りますから、なかなかこれも油断ができない情勢であります。以上は3県の一般の状況であります。

次に対策について申上げます。前述の朝鮮人問題に対しまして、我が国としては如何に対処して行くべきであろうか、その対策は軽々に結論を得る程簡単なものではないのであります。問題のよつて来るところが深く遠いものがありますし、その幅も広いし、その根底に深刻な微妙なものを含んでおります。併し先ず第一に我が国におきまして、大きな政治的考慮によりまして急速にこの朝鮮との関係を調整して、在留朝鮮人の地位を明確にしなければいけないと思います。どうも今までいろいろな法令があつてないようなものでありまして、朝鮮人に対する処遇方針と申しますか、又一方には違反者に対する取締方針と言いますか、それが確立しているようで確立をしていないのであります。それで早くその処遇方針を本当に確立させまして、これを忠実に且つ強力に推進することによつて、問題を抜本的に解決を図らねばならんことが一番大事なことであります。これは我が委員会においても段々政府を督励してそういうふうにやらして行かなければなりませんが、尚当面の対策として考えられる数項目を挙げて行きたいと思います。

戦後激動する社会情勢を反映しまして、生活の不安定からややもすれば動搖不穏な雰囲気を釀成し易い環境に置かれまして、この在留朝鮮人は精神的に、又物質的に絶えず刺戟と影響を与えられております。密造酒や、密造のたばこ、密貿易なんかを取締ることは我々の生活権を脅かすものだというような主張をしている者もあります。併しこういう情勢の悪化をどうしても助けているのは朝鮮本土からの密輸、密貿易、密航事件であります。その中継拠点になつておりますのが対馬であり、隠岐島である。この対馬、隠岐島の状況はこれは相当憂慮しなければならない。又警察方面、殊に海上保安庁方面においても取締を要するものと認めるのであります。殊に対馬方面では余程ひどい条件になつているようでございます。この点について後程公安委員長並びに海上保安庁方面でお分りになつている点について、改めて御説明を願いたいと思つております。

今申しましたように情勢に対しまして、最前線において取締ることが一番必要なんですが、その責任を有しておられるのが海上保安庁であります。地方に海上保安本部を置かれ、又その下に海上保安部、それから海上保安署なんかを置いておられます。併しその陣容はこう申しては失礼でありますが、甚だ劣勢でありまして、海上保安庁によつて与えられた、許された125隻の船舶、5万総トンの船舶を許されているのでありますが、灯台船なんかを皆入れて42隻の船しかないというような状況、それから武器もピストルの携行は許されているのでありますが、必要に応じて国家地方警察から借りるというような極めて貧弱であります。あまつさえ関係官の多くは経験が浅く職務も不慣れのために十分な活動もできない。予算の不足も原因して、海上保安庁は失礼ではありますが、海上保安庁の機能が非常に阻まれているというふうに見て参りました。驚いている次第でございます。

門司の海上保安庁本部は九州、山口の沿岸の広い海上を管轄し、殊に下関を中心とする山口県の海岸、北九州一帯等の朝鮮人の密集地、密輸、密航の屈強の中継地である対馬等重要地点を控えているのに、この保安本部で聞いて見ますと全くその人員は心細いのでありまして、もう保安本部の方でもこれはとてもやろうとしてもやれないのだと悲鳴を上げておられるような状態であります。どうか早く至急にこの陣容を充実強化されまして、密輸、密航の第一線を取締を厳重にして頂いて、海上保安の万全を期して頂きたい。こう申した次第であります。

もう一つ申しますと、関門地方に次いで朝鮮の近接距離にある島根、鳥取両県の沿岸の日本海の海面のために浜田、境の両海上保安部が設けられております。ところがその陣容は実に貧弱極まるものでありまして、機能発揮などとてもできない、而もこの両海上保安部は門司の方が近いのでありますが、どういう関係か広島の海上保安本部の所管に属しており、山陰地方に孤立の状態に置かれてしまつておる、而も今申しましたように、船も貧弱ならば部員も少い。それで同地方における、先程御説明したような密航や密輸の実状に実際そぐわないのであります。私はこれはどうも門司海上保安本部の方に移管されまして、この方面におきましての取締の一体化を図られた方がいいのではないかと考えて来た次第であります。

次に朝鮮人の密輸、密航等に対しまする取締の第二陣と申しますか、それは山口、島根の両県において実施しておる監視哨の制度であります。監視哨というものを置きまして、それで昼夜見張つておる、昼だけ見張つていないところもありますが、併しこれは主として予算の制約を受けまして、内容は極めて貧弱であります。殊に萩市のように臨海地でありましても、自治体警察の所管区域では、自治体の財政難のために監視哨を設けないのが普通であります。下関市は貧弱ながら実施しております。萩市の方は実施していない、こういう状況であります。監視哨は国家地方警察の方でこれを設置して、地方の漁業組合等の協力を受けて辛うじでこれを維持しておるような現状であります。自治体警察の方はやりませんから海上の管轄を奪われておる。国家地方警察の方で陸地の方をやる、こういうような状況であります。これは政府の方においても財政的に……自治体の方においてもこういう密輸とか、密航とかいうようなことは単にその自治体だけの仕事ではないのでありますから、取締れないのでありますから、国家において是非そういう財政的に援助して、監視哨の設置を図つて、海上保安勢力の増強と相俟つて取締に遺憾なきを期すべきであるとこういうように考えます。而も以上の海上保安庁と監視哨を第一線とする陸上警察との間には、海上保安という共同目的に対して殆んど有機的の連絡組織を持つておりません。双方とも両者間の分担、協力の必要について明確な認識に乏しく、現状の不満足なことに気付いていながら、積極的に連絡提携の方途を講じようとしておりません。下関の自治体警察と門司の海上保安本部との連絡を聞いて見ますと、3ケ月に一遍寄り合つておるというようなことで驚いたのであります。これは1月に3回とか或いは始終連絡会議を開かなけれどならない。3ケ月に一遍では仕方がないではないかと言つて来たのでありますが、漫然姑息な方法でその場その場を凌いでおる。実に遺憾極まることだと見て参りました。海上保安庁監哨網の拡充強化は、まあいわば対外的な方策とも称すべきものでありまして、海外からの刺戟によつて朝鮮人関係の治安問題の悪化を予防するのでありますが、前に述べました通り、現在各地に多数の朝鮮人がおりまして、姫路、宇部、益田の各事件が示しますように、幾多治安上注意すべき問題を起しております。これに対して直接の関係、直接責任の地位にありますものは、言うまでもなく警察であります。

ところが現行の新らしい警察制度は、発足早々朝鮮人関係の治安問題に当面して、今申したような事件の経験が、新警察制度の試金石と言われる結果になるのでございまして、余りうまく行つていないところが多いのでありまして、殊に下関市の自治体警察のごときは、もう朝鮮人の密航者は、3分の1しか捕えられないということを申しております。密航して来るものが3分の2は内地に潜入してしまう。下関市には1万5000人からの朝鮮人の部落があります。これはその中には殆んど自治体警察の警察官が入れない。入ればピストルで射たれるというような危険な状態でありまして、全く手を挙げているのであります。まあうんと警察官を増員いたしまして、取締つて行けばとにかく、毎日そこを巡邏し、密行するようなことはとてもできない、こういう状態であります。山口県知事が言われた話であつたのでありますが、山口県の知事は、非常にこの山口県における朝鮮人問題、朝鮮人によつて釀し出される治安問題ということを憂えております。今のような状況では、もう自信は持てないとまで申しております。これに対しまして国家地方警察の方でどう見ておられるか、国家公安委員の方ではどういうように見ておられるか。これは山口県知事の方とも、これまでしばしばお話合いがあつたことと思いますから、その点もお尋ねいたしたいと思います。





昭和24年04月05日 参議院 本会議
[015]
無所属 岡本愛祐
次に、最近朝鮮人の密入国、密輸出入が激増しつつあります。要衝に当つている山口県のごときはその取締に手を焼きまして、又今後の見通しについて、現状のままでは万全を期することは殆んど絶望だとしております。これに対する海上保安庁の活動は殆んど無力であります。海上保安庁法で125隻、5万総トンの船舶の保有が許されているのに、現在僅か42隻、9000トンのぼろ船を持つに過ぎません。又武装は皆無に近く、僅かにピストル数挺を警察から借用している程度であります。速かに海上保安庁法によつて許された範囲において、優秀な船舶の増加、武装の強化、保安官の充実を行い、殊に関門方面、対馬、隠岐等、要衝の地にはその大半を配する等、配置を合理化し、且つ警察との連絡を強化し、万全を期さなければならないのであります。

昨年以来浜松、大阪、神戸、姫路、宇部、益田の諸都市に朝鮮人関係の大事件が頻発し、延いては国内の治安を騷然とさせております。これは在留朝鮮人に対する政府の取扱の方針及び関係法規がはつきりしない点に第一の禍根が存する。殊に過般南鮮の大韓民国は国際連合において承認せられたのでありますが、この際在留朝鮮人の取扱の法的関係を確立する必要があると考えます。善良なる大多数の在留朝鮮人に対しましては、我々は相携えて共存共栄し、世界の文化に貢献しなければならん。併し強窃盗、詐欺、暴行等の犯罪は勿論、大掛りの密造酒、密造煙草の販売、その他我が国の再建を阻碍する経済事犯に対しては、政府は不良日本人に対すると同樣断乎としてこれを取締るべきであります。而して同時に正業によつてその生活の立ち行くよう懇切に世話をすべきであります。然らざれば、これらは最近著しく増加しつつある密入国者と共に、我が国治安上の癌となる虞れがあります。

これら治安の諸問題に関連しまして、吉田総理大臣兼外務大臣、樋貝国務大臣、大屋運輸大臣の所見をお尋ねいたします。尚、昨4日、極端な国家主義、反民主主義団体の結成指導を禁止する団体等規正令というものが公布施行されました。この団体等規正令関係の特殊調査と、この非日活動委員会との関連如何、これを法務総裁にお尋ねして置きます。





昭和24年07月29日 衆議院 考査特別委員会
[707]
民主自由党 大橋武夫
証人は今年の2月湯本の朝鮮人の部落で、酒の密造の検挙があつたということを御承知になつておりますか。

[708]
証人(福島地方検察検事正) 安西光雄
知つております。

[709]
民主自由党 大橋武夫
そのときの検挙の状況はどういうふうでしたか。

[710]
証人(福島地方検察検事正) 安西光雄
私現地におりませんでしたから、検挙の状況は聞いておりませんが、検挙後にその部落の鮮人など100名でありましたか、200名でありましたかが、差押えられたところの米その他を返せという要求に警察署へ押しかけて来たということをその当時聞いて知つております。

[711]
民主自由党 大橋武夫
その当時密造犯人たちを庇護してそういうデモをやらせたのも、やはり共産党の一味の人たちであつたということは承知しておられますか。

[712]
証人(福島地方検察庁検事正) 安西光雄
その点までは私その当時は知らなかつたのでありますが、やはりそれに対する一つの反感があつて、今度の平署襲撃に朝鮮人連盟の一派が加わつたということが、今までの捜査の経過になつております。それで初めて知つたわけであります。

[713]
民主自由党 大橋武夫
そうすると石城地区の共産党の地区委員会は、密造をやつたこれら朝鮮人に対する当然の検挙に対して反感をあおりつけて、そうしてその人たちをこのたびの暴力の方へ引きつけたということは言えるわけですね。

[714]
証人(福島地方検察庁検事正) 安西光雄
それが全部の動機とは言えないかもしれませんが、やはり一つの遠因になつているということは言えるのではないかと思います。





昭和27年03月27日 衆議院 外務委員会
[079]
賠償庁長官 岡崎勝男
これはここにも特に昭和20年9月と書いてあります。それ以前に日本に在留した人は、平穏に在留した者であるか、あるいは日本の国民としてここにおつた者か、どちらかなんですから、まず一応善良なる居留民と考えますからして、ここに特例を設けて資格がなくてもある期間はおられる、こう書いておるわけであります。

ただおそらく石原次官なんかもそう考えてお話したのじやないかと思いますが、率直に申しますと、終戦以来むろん全部じやありませんが、一部の朝鮮の人々は、その地位が外国人であるか、日本人であるか、あいまいでもあつたし、また日本政府の朝鮮人等に対する取扱いが非常にはつきりしなかつたものでありますから、いろいろの法律をくぐつたような行為をいたした事実もたくさんあるのであります。ことに密造部落なんというものは非常にたくさんありました。また国内の治安を乱すような北鮮系、南鮮系の間の争いなども、ずいぶん殺傷事件などを起しておつたわけであります。

これは大分緩和して直つて来ましたが、今まではそういうことがあつたことは事実であります。今後外国居留民として日本におる限りは、日本の法はどうしても守らなければならない。外国人であるがゆえに、かつて気ままなことをすることは、これは許されないことであります。この点を私は明らかにいたしておきたいと存じます。そういう特にはなはだしい不法な行為をする者は、これは送還するのもやむを得ない。

が、善良にただ日本にずつと無事に暮しておつて、ここに家族もおり、商売の足がかりもある。こういうものが急に朝鮮に送り返されたりしたところで、向うでも困るのであります。従つて善良なる居留民に対しては、できるだけの保護を与えたい、それが一つの趣旨であります。その点は法を乱すようなことさえなければ、何も心配することはない、こう私は申し上げられると思います。





昭和27年04月15日 参議院 大蔵委員会
[127]
日本社会党(社会民主党) 菊川孝夫
それは法律上誠に今平田局長からやる決意を述べられましたし結構だと思います。我々も賛成でありますが、実際問題として特に外国の軍隊が長い間占領をしておりましてそうしてようよう占領が駐留に切替えられたときでも、彼らは駐留軍の軍隊というものは何だか占領意識というものはなかなか容易に抜け切れないものでありまして、これはエジプトにおけるイギリス軍隊或いはインドにおつたイギリスの軍隊の例を見ましても、なかなか日本の収税官吏、又は税関官吏等に対しましてはもう問題にしないというのが多い。一体条文におきましてはなるほどそういう了解がつきましても、末端へ参りますと非常な紛争が起きることを当然予想しなければならんと思います。

現に大蔵省の収税官吏等はこの間も大阪で第三国人、朝鮮人の密造部落襲撃に当りまして日本の警察では手が出なかつた、2回に亘つてやつた、而も危害を加えられておるという事件も起きておりますが、ああいう事件はよもや起きまいと思いますけれども、軍人、軍属でございますので武器を皆携帯いたしております。

従つてこういうことをやるには相当身体の危険も考慮に入れてやらなければならん、こういうことをやらせようとする、今平田さんが言われたようなことをやらせようとする場合には、それによつて生ずる危険の保障ということも考慮しなければならんと思いますが、平田さんこういう法律をこしらえてこれからあなたの所属、いわゆる大蔵省の所属のこれらの官吏にやらせようとするのでありますが、これらの保障につきましては相当お考えになつておりますか。





昭和27年04月21日 衆議院 行政監察特別委員会
[074]
自由党(自由民主党) 田渕光一
今回われわれ調査団が、京都国警の資料及び写真で見たのでありますが、宇治市の近郊に400人近い朝鮮人の集団部落があります。それをウトロ部隊と称して、「ポリ公、犬立入り禁止」という看板をかけておる、われわれの生命財産を保護してくれ、まことに薄給において彼らは生命をなげうち、しかも妻子の恐怖にある中において、国家の再建をにない、われわれの生命財産を守つてくれていることを無視して、「ポリ公、犬立入り禁止」というような看板をかけて、しかも密造いたしておる。しかもこれに対して京都市の市当局の労働部か、民生委員といいましようか、この密造してなまけているところのやからに対して、1家族1箇月2000円という生活保護法による生活扶助を与えおる。

われわれ国民は、ほんとうに働いて疲労しておる。私の声がかれているのは疲労しているからだ。ここまで国家再建にほんとうに血と汗をもつて熱心に闘つている、その歳費から、2万何千円という所得税をわれわれは払つおる。そういう税金の一部が平衡交付金にもなつて行くでありましよう。そういうものが、この日本の法律の禁止しておる密造を専業とし、やみ、ばくち、あらゆる暴行脅迫をやるこの不逞のやからに与えられている。そうしてウトロ部隊という名前をつけて、しかも「ポリ公犬立入り禁止」というような文字を出しておる。かようなことは増長するにも増長し切つておるのである。

これに対しまして、いかなる対策を立てたらいいかということについては、大阪の高等検察庁において会議を開いて、諸君は中央がどういう態度をとれば治安が維持できると考えるかと言つたときに、まず鶴橋その他におきまして、近畿におけるところの朝鮮人は30万、この45%といえば約22万という北鮮人に対して、たとい2000人でも送還してくれるならばぴたつとなりましようということを彼らは見通しをつけておる。そういたしますと、われわれは8390万の日本の民族を愛するためには、2000や3000の不逞のやからは、これは釜山に送りつけてやるだけの決意を持たなければならぬ。これにおいて治安が確立すれば、これはまことに世界人類の上からいつても、人道上からいつても、相済まぬことではあるが、彼らが反省しない限りは、そこまで強硬手段をとらなければならぬと思うが、これに対して、もし中央あるいは国会がそこまでやることにきめたら、執行面におけるところの諸君がそれを執行するだけのほんとうの決意があるかどうかということを承つておきたいのであります。





昭和27年04月22日 衆議院 行政監察特別委員会
[315]
証人(国家警察本部警備部第二課長) 平井學
そこでまず可部の税務署の襲撃事件から申しますと、当日3月1日午前9時ごろ、古市町の朝鮮人の中心地である部落に、朝鮮人が大体180名くらい集合いたしまして、朝鮮語で演説をして気勢をあげております。10時ごろからプラカード60本くらいを手に手に持つて古市町の役場にデモ行進をしております。役場で何をしたかと申しますと、別に不法行為を働いておりません。朝鮮人子弟のみの小学校分校を設置してくれ、朝鮮人の専任教師を雇つてもらいたい、教育費の負担をしてくれ、こういう3点を中心に要求をいたしまして、11時30分ころ引揚げております。ところがその後約60名くらいが三々伍々、この古市町から可部町へ来る――距離が5キロくらいあると思いますが、バスまたは電車等によりまして可部町に行きまして、可部税務署に押しかけた。そこで署長がおらなかつたものでありますから、署員に対して密造酒の取締りの不当をなじり、一応合法的な談判――陳情と申しましてもはげしい陳情であります。談判をやりまして、そこまではよかつたのでありますが、帰りぎわに150CC程度のびんに入つた催涙液、これは後ほど鑑識で分析してみますと臭素クロームとアセトンの混合液だそうでありますが、これを帰りぎわに事務室の机の上に投げつけて、さつと引揚げてしまつたのであります。この液は後ほど税務署員が医師の診断によつて見てもらいますと、急性眼瞼結膜炎、急性刺激性咽頭炎を起させる液体だそうであります。そこへ私服警察官が2、3名、警戒と署に対する連絡の意味で派遣されておつたそうでありますが、帰りぎわにびんをいきなりぱつと投げてそのままさつと引揚けたので、警戒員が本署へ連絡して本署から警察官が来たときには、すでにもう引揚げて逮捕できなかつた、こういうのが実情であります。

次にこの可部税務署を襲撃した一隊と思われる者が、今度可部からただいま申しました4キロないし5キロばかり離れておるところの古市町に現われまして、古市町から今度はさらに約1.5キロほど離れた祇園町、ここは警察署の所在地でありますが、祇園町の役場に行きましたけれども、町長がおらなかつたために事なく引揚げております。

次にこの一隊が、さらに午後1時半ごろ安佐地区警察署へ押し寄せております。これは密造酒取締りの不当について署長に談判するというので、署の前へ集まつたそうでありますが、署長の方で解散を命じたので、これは何らなすところなく解散をいたしましたけれども、それから先約130名の者が、徒歩で広島市に向つて出発をしております。これは午後2時50分ごろ解散したという報告でありますので、およそ距離が8キロ、約2里少々の距離でありますが、徒歩でぞろぞろと広島市に向つたのであります。しかもこの半分以上は女子並びに子供の一隊であります。それで警察の方でも、いわゆる型にはまつた集団デモ行進というふうには見ずに、いささか軽く見た節があつたのではなかろうかと思つております。この旨は同時に電話で広島市警の方には通報はいたしてあります。

次に安芸地区署管内の状況を申しますと、やはり午前11時半ころ、安芸地区署の朝鮮人部落の中心地である船越町、この民線の地区事務所に朝鮮人約60名が集まりまして演説を行い、気勢をあげまして、正午前ころプラカードを40本くらい立てまして、海田市税務署に参つております。この海田市税務署というのは、この部落から徒歩で約20分くらいのところであります。海田市税務署に参りましてこれは税務署長がおりまして、これに対して密造酒取締りを緩和せよ、われわれの生活を破壊するなというような要求をしたのでありますが、午後1時半ころになつて、税務署の方で退去要求をいたしました。それまでは合法的な談判に終始したのでありますが、署長が退去要求をいたしますと、この60名ばかりの朝鮮人が引上げぎわに、玄関のところと応接間のところに2本同様の催涙液入りのびんを投げつけてぱつと退散したのであります。当時警察の方でも不法行為を予期しておつたのでありますが、彼らの行動は、いわゆる合法と非合法のすれすれのところを巧みに行くという戦法と思われますが、談判に終始すると見せかけておいて、帰りぎわにさつとこういうびんを投げつけて行くという、実にすばやい巧みな行動に対して、実は警察の方で逮捕するのが間に合わなかつたように聞いております。





昭和27年05月28日 参議院 法務・内閣・地方行政・労働連合委員会
[002]
自由党(自由民主党) 中川幸平
審議の参考にお聞きいたしたいのでありますが、昨日の新聞によりますると、朝鮮部落を急襲して5・1騒擾事件の主犯者を相当数捕縛したという報道がありまするが、地方におきましても密造酒の元は殆んど朝鮮人であり、これらを検挙するにも非常な騒擾をところどころで惹起いたしておるのであります。これら朝鮮人の破壊活動状況を、当局においてもそれぞれお調べになつておることと存じますが、この機会にそれらの点を一応お調べがありましたら御報告を頂きたいと思う次第であります。





昭和28年07月20日 参議院 法務委員会
[006]
政府委員(法務省刑事局長) 岡原昌男
大体この蓋然性というものは、次のような点について判断することになろうかと存じます。つまり被告人の属する団体、例えば何々組という暴力団体が、而もそれが平素から非常に浅草なら浅草近辺であばれておる、而もそれ相当な地位を本人が占めており、たくさんの部下を持つて普段からごろついて歩いておる。それからもつとはつきりいたします例といたしましては、さような場合に、前に事件が起きたときに同じようにお礼まわりをして歩いたことがある、或いは検察庁、又警察における調べ、或いは公判廷でもよくあり得るのでありますが、証人として調べられた者に対して、非常に捨ゼリフを申すことが例えばあいつ奴覚えているというようなことを、よく申すことがございます。そういうふうなことがございますと、いずれその本人の団体に必ずしも属しなくてもいいわけでありますが、その団体の者を動員し、或いはみずから証人なり関係人のところに行つて、そうしていずれお礼まわりと申しましようか、お蔭様で警察に入りました、いずれお礼はのちほどいたしますというふうなことを言う可能性がかなり強い。

で、更に特殊の団体としまして、朝鮮人の濁酒の密造の事件などがございます。これは御承知の、関西方面でかなりたくさん、川崎でもやりましたが、検挙いたしましたが、その際に関係人の家にどなり込みに参りまして、そうして結局、部落に住めなくするというふうな程度まで、いぢめた前例もございます。

さようなことになりますと、裁判所に証人として出て参つて、真実を吐露するというふうなことは、もう望めないことになりますので、さような場合の手当として、実際問題としていろいろな警察力を動員いたしましたり、それから反対側の者を集めて、そういうことをするなというふうに、くどいて見たりしたことがあるそうでございますが、どうしてもこれが思うように行かない。毎日々々被害者の家を監視するわけにも、保護するわけにも行きませんので、結局非常に、一旦やつたらもう恐がつて、その証人は本当のことを言わなくなるというようなことが、たびたびございました。

そういうふうな実際の資料を裁判所に、或いは警察官或いは検察庁に、或いは裁判所が独自に手に入れられました資料に基きまして、かような判断をする、さようなことになろうかと存じます。なお統計的な実績と申しますか、さようなことについてはまだ数字でそれを現わす程度に至つておりませんけれども、この点は裁判所、検察庁或いは在野法曹におかれましても、十分顕著な事実としてお認め願つているはずでございます。



[008]
政府委員(法務省刑事局長) 岡原昌男
その警察官というあれは、恐らく2つの意味があると思います。その1つは、主に公安事件等におきまして、警察官が第一線の検挙に当りますために、おのずから証人として出る機会が多いことがございます。さような場合に警察官がしつかりしておれば、結局その事件について、別に心配ないじやないかという意味が1つ。それからもう1つはそういう事件でなくて、一般の只今申したような事件において、警察官がその証人になるべき者、それの点において特殊の知識を持つている者の保護を敢然としてやれば大丈夫じやないか、こういう2つの意味があるだろうと存じます。一応は御尤もでございます。ただそれを実際の事件に当てはめまして、例えば公判事件の際に警察官の家の廻りにその被告人側の連中が絶えずぐるぐる廻つて、そしてときにはビラを撒く。これは実例として、例えば東京地検の検事の横地検事の自宅の前に一夜にして数100枚と申しますか、数1000枚と申しますか、検事をやつつけろ、火焔びんを今に投げるぞというようなことをずらつとあれしましておどかしたような事件がありますが、検事に対してもそのようでございます。

これは全国的に別途資料はもう非常にたくさんございますが、昨年あたりは3、400件の脅迫事件を検事脅迫関係だけで出しております。まあそういうような脅迫をするというようなことは、そういう場合は格別といたしましてさような巡査の自宅に対して組識的な圧力を加えるというようなことが非常にたくさん行われております。かような場合にはそれ成るほど警察官なり或いはその証人たるべき人がしつかりしておれば、勿論それは問題ないはずでございます。

ただ実際問題として、さようなビラが200枚も300枚も近所の目に触れるようなところに、本人もいやがるような場所に次々と貼られるということになりますと、おのずと考え方というものがやはり、これは大変だ、どうしたらいいだろうかというようなところから、公判廷における証言ということも鈍つて来る。例えば10という事実があるという場合に、7ぐらいであと言葉を濁すというふうなことになりがちでございます。

そういうようなことがないようにというのがこの趣旨でございまして、その点は警察官が幾らしつかりいたしましても、やはりこういう点の保護をしてやつたほうがいいというのが一つでございますし、他面、その警察官の保護が完全に行きますればいいだろうという、これも御尤もでございますが、実際の例としては、先ほど申した通りに、例えば朝鮮人の集団密造部落における或る朝鮮人が資料を提供したためにその事件が挙がつたという場合には、警察官が保護に行きようがない。もうその部落から本人が引越してどこか安全なところに出て来るか何かしなければ、四六時中見張りというものもできないという場合も実際上あるのでございます。

これは単に集団密造部落の場合のみならず、その他につきましても同じように考えるわけでございまして、例えばメーデー事件の証人というものは恐らく何人ぐらいになりましようか、1000人や2000人近くには……、参考人が延べ1万3000人になるそうでございまして、これはもう延べでございますからダブつている人もございましようが、そういう者に対して警察官が一々見張つて歩くということは不可能であろう。そういう点から、そういう面からの保護は限度がございますからして、こういう規定でこれを保護しようという趣旨でございます。





昭和28年07月22日 参議院 法務委員会
[012]
説明員(法務省刑事局参事官) 下牧武
それから6号のお礼参りでございますが、これは御存じのように、博徒の恐喝事件、それから朝鮮人部落内の酒の密造事件、こういうもので、いわゆるその被害の事実とか、或いは密造の事実、恐喝をした事実を捜査官なり、或いは裁判所なりでしやべりますと、そこへ皆が押しかけて行つて嫌がらせをやる、これは現実に起きております。

特に朝鮮人部落内の酒の密造事件というのは、これは不利なことを自分たちのために言つた者に対する圧迫は非常なものでありまして、それがむしろ原則になつております。そういう場合に当然権利だというので保釈で出て行きましてそれをやられたんでは、あとの審理にも、捜査にも差支える、こういうわけでございます。



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